大阪・関西万博での資材再利用プロジェクト「旅するCLT」に注目！

大阪・関西万博での資材再利用プロジェクト「旅するCLT」

2025年に日本で開催される大阪・関西万博では、持続可能な社会を意識した取り組みとして「旅するCLT」というプロジェクトが始まっています。このプロジェクトは、積水ハウス株式会社と東京大学が協力し、日本政府館で使用されたCLT（直交集成板）の解体材を再利用することを目的としています。

CLTとは？

CLTは、木材を層状に接着して作られたもので、強度と軽さを兼ね備えた新しい建材です。従来の建材と比べ、温室効果ガスの削減に貢献するなど、環境にも優しい素材として注目されています。今回の「旅するCLT」プロジェクトでは、万博で使用されたCLTパネルを再度建材として利用し、次の世代へと受け継がれるような仕組みを構築します。

プロジェクトの目指すもの

このプロジェクトでは、再利用されたCLTパネルを用いた建築が全国各地で行われることを目指しています。特に注目すべきは、一度の再利用にとどまらず、複数回にわたる解体と再構築を繰り返すことで、「旅をする」ように資材が全国を回ることです。これにより、地域の文化や人々とのつながりを深めながら、持続可能な関係を築いていくことが期待されています。

プロジェクトの展開

「旅するCLT」の推進には、積水ハウスの寄付と東京大学の研究機関が大きく関与しています。具体的には、東京大学の青木謙治教授や権藤智之准教授と連携し、専門的な知見を活かしながら再利用の検証と実践を行います。例えば、CLTパネルの残存強度や構造的特性を調査し、再利用に適した指標を整備することで、より多くの建物に応用できるような基盤を構築していく予定です。

クリーンエネルギーへの貢献

この取り組みは、循環型社会への移行を促進するだけでなく、クリーンエネルギーや森林資源の活用にもつながります。地元の森林から採取された木材を使用し、地域経済の活性化にも寄与することが期待されています。また、このプロジェクトを通じて得られるノウハウは、今後の建築業界に新たなイノベーションをもたらすかもしれません。

未来の家づくり

本プロジェクトはさらに、解体材の再利用に関する新しい技術や設計方法の開発を目指しています。これにより、今後の住宅市場では、再生可能な資材を用いた住まいが普通になる日も近いといえるでしょう。たとえば、解体された建材の特性を最大限に引き出すためのシステムを開発し、持続可能な住宅建設のスタンダードを確立することが目標です。