神奈川と宮城に新たに導入されたアート介在療法「ビーズ・オブ・カレッジ」

新たなアート介在療法が導入

最近、宮城県立こども病院と神奈川県立こども医療センターに、アート介在療法の一つである「ビーズ・オブ・カレッジ」が導入されました。このプログラムは、重病を抱える子どもたちに希望と癒やしを与えることを目的としています。

「ビーズ・オブ・カレッジ」は、アメリカ発のアート介在療法で、子どもたちが治療の過程を色とりどりのビーズで記録することが特徴的です。治療に伴う経験や感情を視覚的に表現することで、子ども自身が治療を振り返る機会を提供します。例えば、輸血の際には赤いビーズ、脱毛が始まったときには顔のビーズを繋ぐことで、それぞれの出来事を意味付けていきます。

この取り組みを実施するのは、認定NPO法人シャイン・オン・キッズです。この団体は、小児がんや重い病気を抱える子どもたちとその家族への心のケアを提供しており、ビーズ・オブ・カレッジの日本国内での導入は、彼らの努力の成果と言えます。実際、シャイン・オン・キッズはこのプログラムを展開できる唯一の認証組織です。

地域への恩恵

宮城県立こども病院がこのプログラムを導入するのは東北地方で初めてのことで、この地域で小児がん治療を受けている子どもたちにも新たな支援の手が届くことになります。一方、神奈川県立こども医療センターでの導入は、全国で6番目という位置付けです。これにより、両病院は子どもたちの治療支援において、新たな役割を果たすことが期待されています。

子どもたちがビーズを通じて感じることは、その過程での自己肯定感の向上や、親や医療スタッフとのコミュニケーションの促進につながります。ビーズの制作を通じて、病児たちは自らの経験を他人に伝える力を育み、心理的な支えを得ることができます。これは、特に感情が不安定になりがちな治療期間中において、非常に重要な要素です。

ビーズ・オブ・カレッジプログラムの今後

現在としては、全国35の病院で「ビーズ・オブ・カレッジ」が実施されていますが、今後さらに加入施設が増えることで、より多くの子どもたちにこの素晴らしい体験が広がることが信じられます。シャイン・オン・キッズは、子どもたちが抱える様々な困難に対し、創造的なアプローチで応えていくことでしょう。

今回の導入により、宮城県と神奈川県の病院で多くの子どもたちが、明るい未来への一歩を踏み出す手助けになることを期待しています。アートの力が、子どもたちの心を元気にし、希望を与えることに繋がるのです。