武蔵野大学と神奈川県が新たな災害支援の形を企画
東京都江東区に位置する武蔵野大学(学長:小西聖子)と神奈川県(知事:黒岩祐治)が、2025年9月から「長期インターンプログラム」を開始します。このプログラムは、大学生が神奈川県庁で7ヶ月間にわたって「災害ボランティア活動を促進する仕組みづくり」に取り組むもので、全国的にも珍しい長期の就業体験です。
新たな災害支援体制の構築
今回のプログラムに参加するのは、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(EMC)に所属する3年生の竹内啓介さんと中原勇人さんの2名です。彼らは大学生の視点から県の制度設計に寄与し、地域に根ざした持続的な支援体制を目指します。
竹内さんは、「私たちの世代が生きていく中で、大きな地震や災害は必ず起こります。その際、適切に行動できる人が多いほど、助けられる命があると思います。このインターンを通じて、災害に対する理解を深める機会を提供したい」と意気込みを示しています。
一方で、神奈川県が抱える課題も浮き彫りになっています。大学生が災害ボランティアに参加する際、授業の欠席や移動費の負担が大きな壁となっています。これらの問題に対処し、若い世代がより参加しやすい環境を提供するための取り組みが求められています。
プログラムの具体的な内容
プログラムの中で竹内さんと中原さんは、次のような活動に携わります。
- - 県内大学との災害ボランティア派遣に関する連携協定の検討
- - 活動証明の仕組みづくり
- - NPOなどと連携したボランティア派遣システムの構築
- - その他の県の取り組み
この取り組みは、神奈川県の選考を通過したEMCの学生2名が主体となり、全国でもあまり見かけない新しい形のインターンシップです。また、能登半島地震の支援活動で得た経験を活かし、地域と学生が強く結びつくプログラムを形成することが期待されています。
期待される効果
武蔵野大学のアントレプレナーシップ学部長、伊藤羊一さんは、「学生たちが自らの経験を通じて社会問題に対処することは、彼ら自身の人生を変えるだけでなく、周囲にも大きな影響を与えると信じています。この取り組みを通じて、学生たちの新しい可能性を引き出すことを目指しています」と語ります。
竹内さんと中原さんの両者は、今後の活動を通じて、大学生の視点から新たな災害支援の形を創造していく覚悟を持って取り組んでいます。特に中原さんは、自身も災害ボランティアとしての経験があり、地域の実情や課題を肌で感じているだけに、より持続可能な支援システムを作りたいという熱意が溢れています。
アントレプレナーシップ学部について
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部は、2021年に設立された独自の学部です。「世界の幸せをカタチにする」という理念のもと、高い倫理観を持ち、新たな価値を創出する人材を育成しています。
このようなダイナミックなプログラムと意識の高い学生たちの挑戦により、日本全体が災害に対する準備をさらに強化することが期待されています。学問の枠を超え、実社会へのアプローチを真剣に考える機会を提供するこのプログラムに、関心を寄せる声も高まっているでしょう。