保育士不足解消への挑戦、アワード受賞法人を発表
保育士の求人難が深刻化する中、特に有効な対応策として注目を集めているのが、株式会社アスカが運営する「保育士スカウト」です。このサービスの一環として行われた「保育士スカウトアワード2025」の受賞法人が発表されました。
現在、日本には約20,000の保育施設が「保育士スカウト」を利用しています。この数多くの施設の中から、効果的にスカウト機能を活用し、採用に成功した法人が選ばれ、各部門ごとに表彰されることとなりました。具体的には、「社会福祉法人部門」「保育・幼稚園部門」「療育部門」の3つの部門に分かれています。
社会課題としての保育士不足
少子化の影響や保育士養成校の減少、さらに入職後の離職率の高さといった複合的な問題が保育業界に立ちはだかっています。こうした背景の中で、保育士の採用競争は非常に激しくなっており、採用活動に必要なコストも増えています。実際、厚生労働省の調査によると、保育士・保育教諭の採用にかかる紹介手数料は全国平均で76.9万円となっており、この高額な費用が施設を困難な状況に追い込んでいるのが現実です。
さらに、求職者と保育施設との間にミスマッチが生じているケースも多く、全体の約2割が入職後の不満を抱えているという結果も出ています。これらの問題を解決するために、アスカが立ち上げた「保育士スカウト」は、保育士が自らの条件に合った環境を選びやすくすることを目指し、さらには、効率的な採用につながる仕組みを提供しています。
効率的な採用プロセス
「保育士スカウト」は、低コストで特に優れた効果を発揮しています。正社員の場合の紹介手数料はたった30万円、パートの場合は15万円と、従来の20-40%のコスト削減を実現。さらに、求職者は施設と直接メッセージでやりとりが可能で、これが相互理解を深める一因となっています。ミスマッチのリスクを軽減できる点も大変魅力的です。
受賞法人の成果とコメント
社会福祉法人部門
「まこと鳴滝会」では、保育士が集まりにくい中で「保育士スカウト」を利用し、成功報酬型の導入によるコスト削減と、スカウトの文面を柔らかくし多くの人にアプローチすることで、着実に人材を採用しています。全統括施設長の塩崎翔さんは、アスカの担当から連絡をもらうことで、対応漏れの心配を減らせるとコメントしています。
保育・幼稚園部門
「のぞみ学園」では、求人数がはやく埋まり、利用開始のタイミングがベストだったと事務長の柴田知明さんが語ります。安価で使いやすいサービスを実感し、これからもサポートを期待しています。
療育部門
「さわやか倶楽部」では、登録者の多さと返信率の高さが特に良いと評価されています。管理者の楠川恵加さんは、求職者に選ばれやすいように、しっかりとした対応を心掛けています。
アワードの真意
このアワードは、保育業界が直面する課題を明確化し、実践的なモデル法人としての成功事例を広く共有することを目的としています。採用から定着までのプロセスを大切にし、保育士が長く安心して働ける環境づくりが、保育の質を向上させるためには欠かせません。
今後の展望
アスカは「保育士と保育施設のより良い出会い」を肝に据えたさらに強化した支援体制を目指します。今後も保育士スカウトの利便性向上と利用の拡大を進め、全国の保育現場にポジティブな事例を提供し続けることで、業界全体の課題解決に貢献していく所存です。