VIE株式会社の新たな研究成果
神奈川県鎌倉市に本社を置くVIE株式会社は、革新的な技術を駆使して次世代型ウェアラブル脳波計を開発し、ニューロテクノロジーの社会実装を進めています。このたび、同社は個別化されたGamma周波数による聴覚刺激が認知機能を向上させることを世界初で発表しました。研究成果は、2025年11月5日にオープンアクセスジャーナル「Scientific Reports」に掲載予定です。
研究の背景
現在、アルツハイマー型認知症をはじめとした認知症治療には、非薬物療法の実現を目指す研究が進められています。その中でも、40Hzの視覚・聴覚刺激が注目されており、VIE株式会社は独自に開発した脳波刺激音楽「Neuro Music」を用いて、心地よくGamma周波数の音楽を提供してきました。しかし、これまでの研究では40Hzという固定の周波数に依存しており、個々の最適な刺激周波数が異なる可能性に着目しました。
個別化Gamma聴覚刺激の効果
今回の研究では、被験者に「Chirp音」として知られる、周波数が30Hzから60Hzに変動する音楽を聴かせ、個々に最も反応が良い周波数、すなわち「Individual Gamma Frequency(IGF)」を特定しました。興味深いことに、被験者集団における最頻値は40Hzではなく45Hzであることが明らかになり、IGFには個人差が存在しました。
さらに、IGFでの刺激を行ったグループと行わなかったグループでの比較を行ったところ、IGF刺激を受けた被験者は言語記憶課題や実行機能課題の成績が顕著に向上したことが確認されました。特に、長時間のIGF刺激音楽の聴取が、より高い効果をもたらすことも示されました。
意義と今後の展望
この研究成果は最大限に刺激周波数を個人に最適化するという新しいアプローチを提示し、認知機能向上への道を切り開くものです。また、これまでの固定された40Hz刺激からの進化を示すものであり、ニューロテクノロジーの社会実装に向けた新しい可能性を提案しています。今後、VIEはこの技術を用いて患者を対象とする臨床研究を進め、専門家との協業や共同研究の機会を広げていく予定です。
VIE株式会社の取り組み
VIE株式会社は「味わい深い人生を」というミッションの下、ニューロテクノロジーとエンターテインメントの融合に取り組んでいます。これまでにも、製薬会社や大学との連携を通じて、ウェアラブルデバイスやニューロテクノロジーを駆使した新しいサービス開発に挑戦してきました。日常生活で簡便に脳波を測定できる技術を提供し、人々の感性を可視化する製品の開発に注力しています。
今後もニューロテクノロジーの普及を進め、ウェルビーイングや医療分野への貢献をさらに進める予定です。興味がある方は、ぜひVIEの公式サイトをご覧ください。