シェフラーが建設機械業界の電動化を推進する理由とは

ドイツのミュンヘンで開催される「bauma 2025」に出展するシェフラーは、建設機械業界における電動化と持続可能性の重要性を訴えています。シェフラーの技術革新や最適化が、建設機械の効率性と持続可能性を高めるカギとなると考え、様々な製品を展示しています。

シェフラーの出展内容

シェフラーは、転がり軸受やリニアアクチュエーター「Ewellix」など、建設機械向けの製品を幅広く展示。特に、低摩擦転がり軸受の導入によって省エネを実現するとともに、油圧シリンダーに代わるモジュール式の電動リニアアクチュエーターの展開に力を入れています。これにより、建設機械の動力源が電動化されることで、エネルギー効率が大幅に向上します。

電動化と脱炭素化

シェフラーが目指すのは、建設機械の電動化を通じた脱炭素化です。ベアリング＆インダストリアルソリューションズ事業部のオフロードセクターでグローバル事業部門長を務めるパトリック・シェールは、「私たちは安全でクリーンな動作を実現する製品を提供したい」と述べています。シェフラーの技術は、顧客の未来にとって欠かせないものとして、モーションの効率化を進めています。

高性能電動モーターの魅力

シェフラーの電動モーターは、800Vの幅広い電圧範囲に対応。建設機械業界向けには、最大300kWの連続出力を誇る専用ドライブが設計されています。この高電力密度のドライブは、電動移動手段へのスムーズな移行を促し、CO₂排出量削減に向けた重要な技術となっています。

特に注目されるのは、ミュンヘンのブースで展示される最高回転数10,500rpmの油冷式モーターです。このモーターは98%を超える効率性を誇り、ヘビーデューティ用途向けに専用開発されており、長時間の運用でも高いパフォーマンスを維持します。

電気機械式リニアアクチュエーター「Ewellix」

シェフラーが展開する電気機械式リニアアクチュエーター「Ewellix」は、さまざまな操作機能や自動開閉機能を持つフラップやエンジンフードに対応しています。これらは公称推力1.5〜150 kN、ストローク長300〜2,000 mmをサポートし、エキスカベーターやホイールローダーに適した設計となっています。

また、「Ewellix」は高精度な制御を可能にし、エネルギーを回生する機能も併せ持っています。その結果、メンテナンスが容易になり、建設機械の総保有コスト（TCO）の大幅な削減も可能です。

低摩擦転がり軸受がもたらす省エネ効果

シェフラーは、低摩擦転がり軸受を通じてエネルギー効率の向上と総保有コストの削減を実現しています。高性能な円すいころ軸受を用いることで、ホイールローダーの油圧モーターやポンプの最適化が図られ、大幅な省エネ化が可能です。例えば、稼働時間8時間の機械1,000台を採用すれば、年間約26,000MWhのエネルギーを削減でき、これはおおよそ6,500世帯の年間消費電力に相当します。