シニア世代のショッピング行動が変わる時代、デジタル活用の実態とは
最近、株式会社mitorizが実施した調査結果から、シニア世代の買い物行動に関する興味深いデータが得られました。調査は930人以上の60歳以上の消費者に対して行われ、時代の変化とともに進化するシニアの購買行動が明らかになっています。
買い物頻度の変化
調査によると、シニア世代は「週に2~3回」買い物に出かけることが最も多く、全体の約45.4%を占めています。一人暮らしのシニアでは「ほぼ毎日」の頻度が目立ち、半数近くが日常の一部として買い物を楽しんでいることが分かります。この購買行動は、家庭環境や家族構成により差が見られ、「二人暮らし」や「家族と同居」の場合は週に2~3回の人が多い傾向にあります。
買い物の時間帯
シニアが買い物に出かける時間帯は「夕方」が34%を占めることが明らかになりました。また、一人暮らしのシニアの中では、夜の買い物を選ぶ人が多いことも報告されています。これは、日中の活動が落ち着き、自分の時間を持つ夕方にあわせ、買い物を楽しむ傾向があることの表れです。
気分転換としての買い物
興味深いことに、この調査では79.7%のシニアが「買い物が気分転換になる」と回答しました。とりわけ、頻繁に買い物に出かけるシニアはその気分転換の効果を感じているようで、買い物は心の健康にも寄与していると考えられています。このことは、買い物が生活の豊かさを増す要素であることを示しています。
人気の買い物先
買い物先として圧倒的に人気を集めているのは「スーパーマーケット」で、利用者は95.5%に達します。次点が「ドラッグストア」で、コンビニエンスストアの1.8倍以上の利用率を誇っています。この傾向は、ドラッグストアが食品や日用品を一度で調達できる利便性を持ち、特に通院のついでに買い物をするシニアが多いためと考えられます。
買い物の楽しさ
調査の結果、約90%のシニアが「買い物中に楽しい・嬉しいと感じる」と答えています。最も多い理由は、「セールや特売で安く買えたとき」であり、次に「思いがけない掘り出し物に出会ったとき」であることがわかります。これは、ただ物を買うだけでなく、買い物そのものがポジティブな体験となることを示しています。
情報収集の手段
さらに、シニア世代は商品の情報収集においてデジタル化が進んでいます。店舗のアプリやLINE通知を通じての情報収集が47.1%を占め、紙のチラシを上回る結果となりました。インターネットの検索も利用されており、スマートフォンを使った情報取得が浸透していることが伺えます。ただし、SNSはまだ少数派であり、今後の発展が期待される領域です。
まとめ
この調査結果は、シニア世代のショッピングが単なる必要を満たすための行動にとどまらず、生活の一部として楽しさや気分転換を提供していることを示しています。また、デジタル技術の利用が進むことで、情報収集や買い物のスタイルも変わってきていることは、商業にとっても重要な知見です。シニア世代にとっての買い物の意味や価値がさらに深まっている今、店舗側もそのニーズに応える新しいサービスを提供することが求められるでしょう。