耳温度で体温測定
2025-02-12 14:28:04

耳介部の皮膚温度で深部体温を推定する新技術の開発

耳介部の皮膚温度で深部体温を推定する新技術の開発



近年、猛暑や熱中症が増加する中、体温管理の重要性が増しています。ポーラ・オルビスグループの一員であるポーラ化成工業は、中京大学との共同研究により、耳介部の皮膚温度を利用して深部体温を推定する新たな技術を発表しました。この技術は、特に運動や労働時の適切な体温管理に大いに役立つことが期待されています。

深部体温を知る意義と挑戦



深部体温は、体がどのように熱を管理しているかを示す重要な指標です。高温環境下での運動や作業による深部体温の過剰上昇は、熱中症などの健康リスクを引き起こす可能性があります。そのため、正確な深部体温の測定が求められていますが、現行の体温計やサーモカメラを用いた方法では、実際の現場での測定が難しいという課題があります。

このため、ポーラ化成工業は手軽に利用できる測定方法として、耳介部、つまり耳たぶを含む部分からの皮膚温度を基に深部体温を推定する方法を探求しています。この研究は、運動時や労働中の熱管理において、より簡単で実用的な解決策を提供することを目指して行われています。

実際の研究内容



この新技術の開発において、運動習慣のある中京大学の男子学生15名を対象に実験が行われました。被験者たちは自転車運動を行い、同時にサーモカメラを用いて顔や耳介部の温度を撮影しました。実験を通じて得られたデータから、耳介部の皮膚温度と深部体温との相関関係を詳しく解析しました。

結果として、耳介部の温度は顔の温度に比べ、深部体温との相関が高いことが確認されました。このことは、耳が体温調整の重要な役割を果たしていることを示しています。従来は耳が体温を放散する「ラジエーター」の役目を果たすと考えられていましたが、実際には耳介部の変化を捉えることで、深部体温の上昇を早期に察知することができる可能性があるといえます。

社会への貢献



ポーラ化成工業では、この研究成果をもとに、暑熱環境における体温管理のための新しい仕組みの導入を進めています。特に、労働や運動の現場で、体温の過剰上昇を早期に察知することで、熱中症のリスクを減らし、より安全で健康的な環境作りに貢献したいと考えています。また、この技術は、今後の研究を通じてさらなる改善と普及が期待されます。

研究発表について



この技術は、第63回日本施気象学会大会で正式に発表されます。開催日は2024年11月22日から24日まで、法政大学市ヶ谷キャンパスで行われる予定です。この発表を通じて、より多くの人々が新たな体温管理の方法に触れ、各自の健康管理に活用していただけることを期待しています。

ポーラ化成工業は、今後も持続可能な社会の実現に向けて、研究開発を続けていくつもりです。私たちの健康と福祉の向上に繋がるような取り組みを一つでも多く行っていきたいと考えています。


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