自動運転トラックによる住宅建材輸送の新たな実証実験

大和物流株式会社と株式会社T2は2025年7月2日から、自動運転トラックを活用し、関東と関西を結ぶ高速道路で住宅用建材の幹線輸送に関する実証実験を開始します。この試みは、物流業界が直面しているドライバー不足という課題を克服するための新たなアプローチとして注目されています。

背景: 物流業界の現状

現在、トラックドライバーの労働時間規制が強化され、2024年問題として業界全体に影響が及んでいます。特に長距離の輸送においては、ドライバー確保が難しくなっており、効率的な物流体制の構築が急務です。そのため、大和物流は自動運転トラックを物流の有効な手段としてとらえ、T2への出資を決定しました。これにより、ドライバー不足を補い、安定した輸送体制の確保を目指します。

実証実験の概要

実施期間は2025年7月2日から10月末までの全4回。大和ハウス工業の奈良工場から、神奈川県の海老名物流センターへ住宅建材を輸送します。今回の実証実験では、荷姿や重量が不均一な建材の積合せ輸送における輸送品質の検証を行います。また、自動運転の走行ルートやリードタイムの確認も行い、効果的な輸送体制を模索します。

実証実験の役割分担

- 大和物流: 積載貨物の提供、輸送オペレーションの設計と提供
- T2: 実証実験の全体マネジメント、自動運転車両の提供

使用するトラックは、T2が開発したレベル2相当の自動運転トラックで、ドライバーが監視する形式です。

物流効率化に向けた期待

住宅建材は多様で、輸送中の振動や衝撃による破損のリスクが伴います。このため、品質維持が重要です。大和物流とT2は、今回の実証結果を基に、2027年を目指してより進化したレベル4自動運転トラックの開発へと繋げていく考えです。将来的には、住宅建材以外の輸送品目についても展開を考えており、自動運転トラックを利用した物流網の構築を目指します。