川崎市が誇る電気推進清掃船の誕生
川崎市がこのたび、全国初となる電気推進による清掃船「つつじ」と「みらい」を完成させました。これらの船は、環境保護を目的に設計されたもので、10月4日には川崎市船客待合所で記念式典が行われました。この新たな取り組みは、地元の高校生のデザインによる独特な船体カラーと、地域の市民が考案した船名からも地元愛が感じられます。
環境への配慮とクリーンな未来
電気推進の清掃船が導入されることにより、年間約45トンもの二酸化炭素排出を削減することが期待されています。川崎市では、「川崎港港湾脱炭素化推進計画」を策定し、2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにすることを目標に掲げています。今回の清掃船は、その一環として建造され、前任の老朽化船を引き継ぐ形で導入されました。
船の詳細
「つつじ」
- - 船型: 双胴型(清掃船)
- - 長さ: 13.0メートル
- - 幅: 6.4メートル
- - 深さ: 2.1メートル
- - 総トン数: 17.0トン
- - 搭乗人数: 最大8名
この船は、前面に配置されたローターにより、海面の大量の浮遊ごみを効果的に収集します。バッテリー容量は417kWhで、現行のトヨタ自動車60系プリウス約30台分のリチウムイオン電池を搭載しており、最大速力は7.6ノット。急速充電が可能で、充電には約5時間かかります。ごみ収容能力は15㎥(約3トン)で、清掃効果を高めています。
「みらい」
- - 船型: 単胴型(作業船)
- - 長さ: 11.25メートル
- - 幅: 3.1メートル
- - 深さ: 1.19メートル
- - 総トン数: 4.9トン
- - 搭乗人数: 最大7名
小型の「みらい」は、狭い区域や桟橋下、岸壁沿いでの浮遊ごみの収集に特化しています。主機関は48kWで、最大速力は約13ノット。バッテリー容量は72kWhで、約7時間の航行が可能です。独自の機能を活かし、他の船では航行できない場所でもごみ収集を行えます。
環境への取り組みと今後の展望
川崎市では、清掃活動を公益社団法人川崎清港会に委託し、原則として平日の午前と午後に浮遊ごみを収集しています。台風などで大量のごみが発生した場合には、状況に応じた対応を行い、地域の環境保護に努めているのです。近年では、一般の市民や企業の意識の高まりにより、ごみの収集量が減少しており、持続可能な環境づくりへの取り組みが進んでいます。
今回の清掃船の導入は、川崎市の海の環境保護を強く支えるものとなるでしょう。市民一人一人がこの取り組みに関わり、未来の川崎港を守っていくために、積極的な参加が求められます。今後の成果に注目していきたいですね。