香醋由来成分フレグライド-1、アトピー性皮膚炎治療の可能性
2025年3月8日、岡山大学と神戸大学の研究チームは、中国伝統の発酵食品である香醋に含まれる成分「フレグライド-1」の新たな生理活性を発見しました。この研究は、アトピー性皮膚炎の治療において重要なターゲットとなる可能性があることを示唆しています。
フレグライド-1の新たな発見
フレグライド-1はもともと抗肥満作用や抗酸化作用が知られていましたが、今回の研究により、アトピー性皮膚炎に関連するタンパク質「アーテミン」の発現を抑制する効果も確認されました。この発見は、食べ物由来の成分が現代社会における健康課題に多角的にアプローチできることを示しています。
研究の背景
研究をリードした岡山大学の佐藤あやの教授チームと神戸大学の辻野義雄教授は、フレグライド-1が生体内の異物に対する影響を調整する「アリール炭化水素受容体」のシグナル伝達を制御することを発見しました。この作用により、アーテミンの発現が抑えられることが分かりました。また、同様の作用を示すSR1という物質に比べて、安全性が高いことも確認されています。
期待される効果
この研究は、伝統的な発酵食品に含まれる成分が、アトピー性皮膚炎や肥満といった現代の健康問題に対し、さまざまな効果を発揮する可能性を示しています。食生活において、どのようにこれらの成分が活用できるかが今後の焦点となりそうです。さらに、フレグライド-1を利用した新たな治療法や予防策が期待されています。
研究成果の発表
本研究成果は、国際学術誌「Food and Chemical Toxicology」オンライン版に2025年2月7日付で掲載されました。岡山大学はこの成果を2025年2月28日、公式に発表しました。
研究に対する期待と協力の呼びかけ
佐藤あやの教授は、「一緒に研究を進めてくださる方を大募集中です」とコメントを寄せています。この研究はさまざまな健康問題への理解を深め、新たな治療法の開発に貢献することを目指しています。
まとめ
香醋に含まれるフレグライド-1は、アトピー性皮膚炎の改善に向けた新たな希望を提供しています。この素晴らしい発見は、食品が持つ潜在的な力を再認識させ、健康管理の新しいアプローチを導入するきっかけとなることでしょう。今後の研究の進展に期待が高まります。