障害者雇用を支えるアンガーマネジメント研修が神奈川で開催
神奈川県横浜市の生活協同組合パルシステム神奈川が、星槎大学との包括的連携協定に基づき、8月19日に新横浜本部で初めての「アンガーマネジメント研修」を実施しました。この研修は、認知行動療法を基にしたアプローチを用いて、自身の感情を客観的に理解し、適切にコントロールするスキルを磨くことを目的にしています。
研修の特徴
研修の講師を務めたのは、星槎大学共生科学部の平雅夫教授です。平教授は、グループホームの運営にも関わりながら、障害者支援に関する豊富な専門知識と実践経験を持つ専門家です。研修では、参加者が自身の思考や行動パターンを見直し、怒りの感情をより柔軟に扱う方法を学びます。
研修の中で、参加者は具体的なシナリオを用いたワークショップに参加し、日常の職場で直面する問題をどう捉え、どう対処するのかを体験を通じて学びました。平教授は、「怒りを抑えるのではなく、まずは感情を理解し、それに対する適切な反応を考えることが大切です」と強調しました。このようなアプローチによって、より良いコミュニケーションや職場環境の構築が期待されています。
包括的連携協定の意義
パルシステム神奈川と星槎大学は、8月11日に障害者雇用推進に向けた包括的連携協定を締結しました。この協定は、障害者を支援する職員を対象としたメンタルケアや研修の提供を含んでおり、地域における共生社会の構築に寄与することを目指しています。こうした連携により、特別支援教育に関するノウハウを活用し、より良い支援の仕組みを整えることが可能となります。
この取り組みは、パルシステム神奈川が目指す「障害者が共に働く社会」を現実のものとすべく進められており、職員だけでなく、地域の障害者にとっても大きな意味を持つものです。
未来への展望
パルシステム神奈川では現在、配送センターの倉庫業務や「ハートコープ湘南」といった就労継続支援事業所で、障害を持つ21名の方々が勤務しています。このたびの研修は、今後の支援者のスキル向上に繋がると期待されており、障害の有無にかかわらず、全ての職員が安心して働ける職場環境の実現を目指しています。さらに、2025年の国際協同組合年に向けて、地域の多様な組織とのさらなる連携を進め、誰もが活躍できる社会づくりを推進しています。
地域での多様性の尊重と支援者の専門性の向上が、今後どのように実現されるかを、私たちは注視していきたいと思います。