新たなVOC処理技術！アネスト岩田がプラズマ式装置で実証試験をスタート

アネスト岩田株式会社が、国立東京科学大学と手を組んで行う新しいVOC（揮発性有機化合物）処理技術の実証試験が開始されました。この新たな装置は、従来の燃焼法や吸着法に代わり、大気圧プラズマを用いることで、環境への負荷を軽減しつつ、高効率なVOC分解を実現する可能性があります。

VOC処理技術の重要性

VOCは、塗料や洗浄剤などに多く使用されている有機化合物ですが、その中には人体に有害な物質も含まれており、環境問題の一因となっています。そこで、各国でVOC排出の規制が強化されつつあります。この背景の中、アネスト岩田が開発した新たなVOC処理装置は、より効率的で環境に優しい解決策として期待されています。

プラズマ技術のメリット

今回実証を開始した装置は、プラズマの力を利用してVOCを分解する技術です。従来の燃焼法と比べると、熱エネルギーのロスが少なく、高温を維持する必要がないため、装置の運用が非常にスムーズです。必要な時だけ処理を行うオン・オフの切り替えも簡単で、無駄がありません。また、吸着法のように再生コストもかからないため、経済的なメリットも大きいと言えるでしょう。

従来技術の課題

従来のVOC処理技術としてよく知られるのが燃焼法と吸着法です。燃焼法は高い分解効率がある一方、低濃度の場合には補助燃料が必要であったり、排気ガスの変動によるリスクが伴います。吸着法も、限界がある吸着材に依存しており、メンテナンスや再生コストがかかるため、その運用は簡単ではありません。これらの課題を解決すべく、アネスト岩田の新技術は大きな期待を寄せられています。

大気圧プラズマの可能性

実施されるプラズマ処理技術は、大気圧環境で生成可能であり、他の技術に比べてコストも抑えられる点が魅力です。この技術は、塗装設備や半導体製造など、広範囲にわたる産業での活用が期待されており、実験の段階では排気量5m3/minの小型システムでの試験がスタートしています。将来的には、大型化を進めることで、より多くの場面での使用が見込まれています。

アネスト岩田の思惑

アネスト岩田株式会社は、創業から95年以上の歴史を持つ企業であり、塗装設備などの製造・販売を展開しています。グローバルに活動する中で、常に新たな製品開発に取り組み、世の中のニーズに応え続けています。今回のVOC処理装置は、同社の「開発型企業」としての姿勢を示すものであり、環境技術の分野でもリーダーシップを取ることを目指しています。