株式会社ニフコ、熱中症対策システムの実証実験を開始
神奈川県横須賀市に本社を置く株式会社ニフコが、名古屋工場および取引先企業7社で「一般企業向け熱中症予防対策システム」の実証実験を開始しました。このシステムは、日々の業務において熱中症のリスクを軽減するために設計されており、改正労働安全衛生規則に対応した重要な取り組みです。
実証実験の背景
近年、気候変動による気温の上昇が進み、特に屋外での作業が多い企業にとって熱中症対策は避けて通れない課題となっています。2025年6月から施行される改正労働安全衛生規則には、特定の条件下で作業を行う際の熱中症予防策が義務付けられています。具体的には、WBGT値(暑さ指数)28度以上や気温31度以上の環境において、適切な体制を整えることが求められます。
システムの特長
ニフコが開発した熱中症予防対策システムでは、エリアおよび作業者に分けた状況をリアルタイムで見える化します。本システムの主な機能には以下のものがあります:
- - エリア別の温度・湿度データの可視化:環境データが10分ごとに取得され、規定値を超えた際には管理者にアラートが送信されます。
- - 作業者別の温湿度管理:作業者ごとの温湿度情報をリアルタイムで表示し、注意が必要な場合には直接通知します。
- - データの出力機能:過去の測定データをシステムから出力可能で、熱中症リスク分析に役立てることができます。
このシステムは、既に神奈川県の学校でも導入されており、教育現場における子どもたちの健康を守るための取り組みとして成果を上げています。学校での実績を基に、今回の企業向けバージョンではさらなる機能追加がされたことで、より広範な熱中症対策が実現されます。
実証実験の実施内容
今回の実証実験は、愛知県豊田市のニフコ名古屋工場と、物流センターを含む取引先企業7社において2025年7月から行われます。2025年10月頃までの実証実験期間中にシステムの検証、評価を行い、必要な改善を施した後、2026年春頃には一般販売を予定しています。
ニフコは「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」という理念のもと、熱中症の予防が進むことで仕事環境の安全性を確保し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
会社情報
株式会社ニフコは、1967年に設立され、エンジニアリングプラスチック製品の製造・販売を行っています。また、公式ウェブサイトでは、他の製品情報も確認できるため、興味がある方はぜひ訪れてみてください。
この新しい試みは、卒業生や現役学生を含めたすべての関係者にとって、健康で安全な環境を創造するための第一歩として期待されています。