湘南アイパーク、創薬エコシステムの発展に向けて
神奈川県藤沢市に位置する湘南アイパーク(湘南ヘルスイノベーションパーク)は、厚生労働省の医薬品安定供給支援補助金の対象として、創薬クラスターキャンパス整備事業において5つの事業が採択されました。これにより、湘南アイパークは創薬エコシステムの強化を目指し、様々な取り組みを進めていきます。
創薬エコシステムの必要性
日本には高い基礎研究力がある一方で、その成果が社会に十分に実装されていない現状があります。その理由の一つは、アカデミアや創薬スタートアップと企業とのコラボレーションの場が不足していることです。この採択を受けて、アイパークインスティチュートの社長、藤本利夫氏は、より多くのスタートアップやアカデミアが企業と連携できる環境を提供し、日本の創薬力を強化する意向を示しています。
取り組み内容
湘南アイパークが目指すのは、創薬に関わる多様なプレイヤーが協働できるエコシステムの構築です。具体的な取り組みは以下の通りです。
1.
研究スペースの整備
初めて設置されるグラデュエーションラボにより、アカデミアやスタートアップが企業と共に利用できる研究スペースが提供されます。
2.
共用機器の充実
最新の研究機器をオープンラボで共有し、低コストでの実験を可能とします。動物実験施設も需要に応じて整備されます。
3.
交流イベントの開催
国内外の製薬企業や投資家との交流を促すイベントを通じ、イノベーションを生む研究者のコミュニティを形成します。
4.
iPS細胞研究の支援体制の強化
コスト面で悩む企業向けに、iPS細胞研究をサポートするプラットフォームが整備されます。
5.
地域への価値普及
周辺住民が創薬に興味を持ち、疾病管理への理解を深められるようなシステムを実現します。
今後の展望
湘南アイパークは、2018年の開所以来、「質の高い研究施設と支援サービス」「多様なプレーヤーの集積」「産官学連携」「スタートアップ育成」に取り組んできました。今回の採択を機に、さらなる発展を目指す意向を強調しています。湘南アイパークが目指すのは、単なる研究開発の場にとどまらず、創薬エコシステム全体の活性化を通じて日本の医療分野に大きな貢献をすることです。
アイパークインスティチュートについて
アイパークインスティチュートは、2023年に設立された企業で、産業ファンド投資法人、武田薬品工業、三菱商事が主要株主です。フィールドとしては、ライフサイエンスエコシステムの構築・活性化に向けた多様な事業を展開しています。
湘南ヘルスイノベーションパークは、製薬企業が自社研究所を開放して誕生した日本初のサイエンスパークで、現在は約190社が集結し、エコシステムを形成しています。湘南アイパークが新たな研究成果を創出し、地域や社会に貢献していく姿に期待が寄せられます。公式サイトやSNSで情報を発信しているので、ぜひチェックしてみてください。