株式会社イクシスのAR締固め管理システム
コンクリート施工業界において、品質管理と作業の効率化は常に求められてきました。そこで登場したのが、株式会社イクシスが開発した「AR締固め管理システム」です。この革新技術は、国土交通省が運営する新技術情報提供システムNETISで最高位の「VE評価」を受けるなど、業界への影響が期待されています。
AR締固め管理システムとは?
このシステムは、コンクリートの締固め作業をAR(拡張現実)技術を用いて視覚化し、作業の均質化と効率化を図るものです。従来の技術では作業者の経験や勘に依存していたため、結果にばらつきが生じることがありましたが、AR技術により、その問題が解決されるのです。
NETISとは?
NETISは、国土交通省が新技術の情報共有を目的に整備したシステムです。登録された新技術は、公共工事や民間工事での利用が推奨され、活用することで施工者は工事成績評定の加点やコストの縮減が期待できるのです。
このシステムは、2023年に登録された後、2025年に「VE評価」に認定されました。これは日本国内の多くの現場からの評価に基づき、実際の工事において効果が証明された結果と言えます。
VE評価の重要性
「VE(活用効果評価)」は、新技術の有効性が確認され、継続的な調査が不要とされた技術に与えられる評価です。この評価を受けることにより、施工業者や発注者における技術の情報が広く共有され、技術の活用機会が増加します。特に、AR締固め管理システムにおいては、コンクリートの締固め作業が適切に行われたかどうかを可視化し、作業者の熟練度による影響を軽減することが評価のポイントとなりました。
技術の特長
AR締固め管理システムの特長は、実際の施工状況をリアルタイムで確認できる点です。バイブレータの挿入位置や振動の影響範囲、締固め時間などがARで表示されるため、作業者は必要な締固め箇所を直感的に把握できます。
1. 作業状況の可視化
システムは施工状況をARで表示し、他の作業者との情報をリアルタイムで共有できます。これにより、現場での協力や効率的な作業が実現します。
2. 締固めの記録管理
複数の作業者の施工状況を一元管理し、計測データは簡単に出力可能です。これにより、作業の透明性が高まり、品質管理の実績を証明しやすくなります。
3. 複雑な現場に対応
プレキャスト床版の工事など、複雑な打設領域に対しても対応可能です。システムは、特に間隔が開いた複数の打設領域を設定することができるため、さまざまな現場環境での効果を発揮します。
まとめ
株式会社イクシスは「ロボット×テクノロジーで社会を守る」を企業のミッションとして掲げ、今後もAR技術やAIを活用した社会実装に取り組んでいく意向です。AR締固め管理システムは、単なる効率化だけでなく、業界全体の品質向上に寄与するものと期待されています。これからの施工業界において、AR締固め管理がどのような変革をもたらすのか、目が離せません。