神奈川発の革新技術!生体電極用フィルムとペーストの革命
2025年8月21日、特殊化学品メーカーのペルノックス株式会社が、生体電極業界の困難を解決するために国産初となる生体電極用フィルム「SilkyLink® MFX-1100」と生体電極用ペースト「Pertron® K-398Xシリーズ」を発表しました。この技術革新は、日本の生体電極市場に新たな展開をもたらすと期待されています。
日本の生体電極業界が直面する課題
とりわけ、日本の生体電極市場は長年にわたりフィルム型およびペースト型ともに海外製品に依存しています。この状況が引き起こす地政学リスク、長いリードタイム、コスト上昇といった問題が、業界全体に深刻な影響を与えています。ペルノックスは、2025年に向けてこの問題を解決するために、50年以上の材料開発の成果を活かし、「即使えるフィルム」と「自由設計可能なペースト」という2つのアプローチを実現したのです。
深刻な問題点
1.
フィルムの品質のばらつき:海外製品が主流のため、品質の安定性が難しく、これがバイオセンサ機器の信頼性を脅かしています。
2.
長期リードタイム:海外製品調達によるリードタイムは3~6ヶ月で、急な需要には全く対応できません。
3.
環境問題:PVC基板の使用が廃棄処理の高額化や環境規制の強化に繋がっています。
新技術の特徴
SilkyLink® MFX-1100
このフィルムは、貼るだけで即座に電極化できる優れた機能を持ちます。また、国産初のX線透過性を備えており、電極装着のままX線撮影が可能です。さらに、高い屈曲性により複雑な形状にも密着します。
技術の秘密は、独自の銀/塩化銀インクの使用と、ポリウレタンフィルムへの均一コーティングにあります。これにより、海外製品で見られる品質のばらつきを克服し、安定した導電性を実現。
Pertron® K-398Xシリーズ
ペースト型生体電極として、スクリーン印刷による自由な設計が可能。さまざまな用途に合わせて銀/塩化銀比率を調整でき、精密な測定が求められる場面でも高い性能を発揮します。
このペーストは、エポキシ樹脂バインダーを採用したことで、高い接着性と優れた作業性を持っており、長時間の連続印刷にも耐えられます。
環境への配慮
ペルノックスは環境にも配慮した製品開発を進めており、PVCを使用しないポリウレタン基材を採用することで、将来的な環境規制にも対応可能です。
将来の展望
現在、複数の大手メーカーでの評価が進んでおり、2026年には本格供給が始まる予定です。ペルノックスは、両製品を通じて、日本のバイオセンサ産業の競争力を強化し、皆様のニーズにワンストップで応えられる体制を整えてまいります。
会社概要
ペルノックス株式会社は1970年に設立され、エポキシ・ポリウレタン・シリコーン系樹脂の開発・製造を行っています。さらなる技術革新を目指して、今後も努力を続ける所存です。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。