岡山大学が核酸研究拠点形成に向けたワークショップを開催
2025年3月4日、岡山大学の鹿田講堂において、「核酸研究拠点形成を目指したワークショップ」が開催されました。このイベントは、国立大学法人岡山大学が推進する核酸研究の発展と、学内外の研究者による連携強化を目的とした取り組みの一環として実施されました。このワークショップは、2024年度の岡山大学グローバル最先端異分野融合研究機構による研究拠点形成支援事業のサポートを受けています。
ワークショップには、岡山大学の学術研究院、病院、ヘルスシステム統合科学学域といった異なる専門分野から集まった研究者が参加し、「核酸医薬」をテーマに、最新の研究成果や今後の共同研究の可能性について活発な議論が繰り広げられました。
特に注目されたのは、研究者たちの異なる分野における技術を融合させながら、それぞれが自由に意見を交わした点です。例えば、岡山大学の大塚基之教授は「RNA編集による遺伝子発現スイッチON-OFFシステムの応用」について紹介し、谷口陽祐教授は「遺伝子標的核酸医薬の開発」の重要性を説明しました。その他にも、大槻高史教授による「光化学的内在化によるRNAやペプチドの細胞内送達」の研究や、重安邦俊講師が提唱する「RNA編集による遺伝性大腸癌診療のパラダイムシフト」についても活発な意見交換が行われました。
また、特別講演として、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の竹鼻健司氏が登壇し、「AMEDにおける核酸医薬品シーズの実用化支援」についての講演が行われました。この講演では、核酸医薬の実用化に向けた支援制度や今後の資金調達の展望について貴重な情報が提供され、参加者の関心を集めました。
このワークショップを通じて、岡山大学では異分野の研究者同士が新たな共同研究の可能性を探るための第一歩を踏み出しました。研究者間でのネットワークが強化され、学際的な協力が促されることで、今後の核酸研究の進展が期待されています。また、各研究者による活発な議論は、今後の研究を前進させるアイデアの共有にも繋がりました。
岡山大学は、引き続きこのようなワークショップを通じて次世代研究群を育成し、さらなる研究拠点の発展に向けて努力していく方針です。次回は、より多くの核酸研究に興味のある学内外の研究者の参加を期待しています。地域中核の特色ある研究大学としての岡山大学の取り組みは、今後も注目されることでしょう。