NECとClimateAi社が提携
本記事では、NECとアメリカのスタートアップ企業であるClimateAi社が共同で、気候変動適応策の導入効果を推定するために構築したコンセプトモデルについて掘り下げていきます。この取り組みは、未来の農業において重要な意味を持つものであり、持続可能性や食の安全保障を追求する上での鍵となるでしょう。
気候変動の影響と農業の課題
現在、世界は気候変動の影響に悩まされており、その一環として農業分野の変革が求められています。しかし、適応策の導入は思った以上に進んでおらず、これには特に投資対効果の算定が難しいという一因があります。農業は気候変動の影響を特に受けやすい分野であり、気温や水分、土壌など多様な要素が農作物の育成に影響を与えるため、新たな適応策の導入に関するデータの分析が求められています。
NECとClimateAi社が開発したコンセプトモデルは、AI技術を利用してこれらの要素を分析し、投資対効果の算出を可能にしました。これにより、効果的な地域に特化した適応策の導入を進められるのです。
コンセプトモデルの具体的内容
このモデルは、アフリカを主な対象として、カカオと米に関する適応策を分析します。アフリカは特にカカオの生産が盛んな地域であり、気候変動の影響により栽培環境が悪化すると予測されています。取り組みとして、以下の3つの適応策に焦点を当てました:
1.
灌漑設備の導入:水の確保が難しくなる中、効果的な灌漑システムは農作物の安定生産には不可欠です。
2.
気候変動に適応した品種への変更:使用する作物の品種を見直すことで、気候に強い作物を育てることができます。
3.
作付時期の変更:従来の作付時期を見直し、最も適した時期に植物を栽培することが重要です。
これらの戦略を用いることで、農業の持続性と収益性が向上することが期待されています。このデジタル技術は、現地の農業支援を行う国際機関や開発銀行と連携し、さらなる支援提供が可能となります。
今後の展望
将来的には、気候変動に対応するためには多額の投資が必要とされる事が明らかになりました。公的機関からの資金だけでなく、民間企業からの投資も必要です。適切な資金供給のためには、投資対効果を定量化し、適応策導入後のモニタリング計画も不可欠です。
NECとClimateAi社の連携により、新たな技術革新の中心として期待される本プロジェクトは、持続可能な農業を実現するための重要な一歩となります。今後も、農業だけでなく、インフラ産業や製造業にも気候変動適応の支援を拡大していく予定です。さらに、TICAD Business Expo & Conferenceにおいて成果を発表し、業界からの反応を如実に受けて、事業化を推進していきます。
結論
NECは「仕掛けよう、未来。」をキーメッセージに掲げ、ClimateAi社とのパートナーシップを通じて、気候変動が農業に与える影響を数値化し、持続可能な農業の実現に向けた道を切り開いています。今後も両社は、革新的な技術を活用し、持つの価値を創造していくことでしょう。