新社会人の初任給に関する調査結果
新社会人にとって初任給は、人生における大きな節目となるものです。最近、複数の大手企業が初任給を引き上げると発表し、注目を集めています。そこで、WeCapital株式会社が「新社会人の初任給の使い道とお金への意識」に関する調査を実施しました。対象は新卒入社から3年以内の1,004人です。
調査概要
調査結果によると、初任給の平均額は「18万円から21万円未満」が最も多く、実に約33.1%がこの範囲に入ります。加えて、回答者の約半数が初任給の使い道として「両親や家族へのプレゼント」を選び、その割合は46.9%に達しました。次いで「生活費(40.0%)」や「自分へのご褒美(39.9%)」が続きます。
初任給の使い道
実際にどのように初任給を使ったのか、いくつかの具体例を挙げます。例えば、ある20代の女性は「両親に焼肉をおごった」と語り、また別の女性は奨学金の返済に使っていたことを明かしました。家族への感謝が強く現れるケースが多い一方で、生活のために初任給を充てなければならない現実も浮かび上がります。さらに、少額ですが貯金に回そうとしているところからも、早くも将来を見据える姿勢が伺えます。
手取り額の現状
では、現在の手取り額に対する満足度はどうだったのでしょう。調査によると、約45.0%が「なんとか足りている」と答え、少しの余裕があると感じている人は19.5%に留まります。となると、多くの新社会人が生活費に苦しんでいることがわかります。
給与への満足度
一方で、給料に対する不満も根強いようです。「現在の手取り額に満足している」と回答したのは、合計で47.7%に過ぎません。「まったく満足していない」との回答も16.3%あり、これは近年の物価の上昇が影響していると考えられます。特に、SNSで他の人たちの生活水準を目にすることも、自己評価に影響を与えている要因の一つかもしれません。
将来への不安
次に、2年目以降の税金や社会保険料の控除について尋ねたところ、約56.9%が「高いと感じる」と回答しました。特に、初任給での金銭面では自由度を持ちたい新社会人にとって、この実感は給与の減少として響くようです。
さらに、現時点での金銭的不安では「貯金ができない」という回答が28.9%で最多となり、「生活費の増加」が23.6%、続いて「老後の資金不足」が19.2%という結果でした。これは、収入と支出のバランスが取れておらず、将来への不安をさらに強めている証拠といえるでしょう。
生活設計の見直しは必須?
このような結果から、今年の新社会人たちは初任給を得たことで感情や行動、さらには金銭感覚にも変化が生じていることが明らかになりました。家族への感謝の気持ちを持ちながらも、現実の生活に追われ、その裏で将来への不安を抱えるという複雑な心境が続いています。これは、計画的な支出や資産運用を考慮する一助となるかもしれません。
まとめ
今回の調査から、初任給は単なる給与を超えて、若者たちが感じるさまざまな感情や将来に対する意識の変化を促していることが浮かび上がりました。新社会人たちの手元に残る金銭の多くが生活費に充てられる中で、効率的な金銭管理や将来計画の重要性を説く結果となったと言えるでしょう。そして、今後は仕事の枠を超えて、資産運用について考えていくことも大切かもしれません。