保育士不足を乗り越え、選ばれる保育園づくりに挑む！

保育士不足が大きな社会問題となっている今、こどものまち株式会社（名古屋市）は、さらなる競争が展開される保育市場において、「保育士が働きたい」と思える保育園を作り上げることを目指しています。現在、優秀な保育士を確保するためには、採用コストを削減し、同時に保育士の待遇を向上させる必要があります。

現状と課題

保育士は売り手市場であるため、各保育園は優秀な人材の獲得に苦労しています。多くの保育施設では、人材紹介会社や有料求人媒体を利用する傾向が強く、その結果、依存度が高まり採用コストが増大。これは、現場の運営や保育士の報酬向上により多くの予算を当てるのが難しくなる要因となっています。これに対抗するため、こどものまち株式会社は独自の施策を導入し、コスト管理の最適化と職場環境の改善に取り組んでいます。

採用コスト削減と「選ばれる職場」づくり

同社は、保育士採用の効率を高め、より多くの予算を保育現場に還元する施策を進めています。

ダイレクトリクルーティングの強化
Z世代へ向け、自社採用ページを刷新し、補助金を利用。特に効果的なのがInstagramを活用したアプローチで、これにより、求人媒体への依存度が比べて軽減されます。具体的には、保育園の魅力を直接的に訴求し、応募者との距離を縮めることで採用単価を抑えています。

職場環境の向上
ヘアスタイルやネイルの自由化など、保育士が自分らしく働ける環境を整備。短時間正社員制度の導入も行い、柔軟な働き方を実現しています。また、効率を重視した保育の質を高める取り組みも進行中です。

コスト管理の最適化
業者の見直しを行い、コストを削減。保育士の給与改善にも繋げつつ、サービス質の維持を目指します。2027年までには、園内でのコピー用紙廃止を目指すなど、業務の簡素化も図ります。

保育サービスの充実

保育の質を向上させるため、教育や保護者支援に関する新たなサービスも開始しています。
学習プログラムの導入
小学校入学を見据えたカリキュラムを採用し、より充実した学びの場を提供。また、英語教育の導入も行い、グローバルな人材を育成するための環境を整えています。

保護者の負担軽減
オムツやエプロンのサブスクリプションサービスの導入により、保護者も支えられると同時に、安心して子どもを預けられる環境提供を実現しています。

親しみやすさの実現
Instagramを通じて、日々の保育の様子やイベントの知らせを発信し、保護者が保育園の雰囲気を感じ取れる仕組みを整えます。

* 地域ニーズへの対応
「誰でも通園」や「休日保育」を中心に、多様なニーズに応える保育サービスを展開し、地域から必要とされる存在を目指します。

将来への展望

少子化が進む現代において、保育園の経営環境は変革を求められています。同社では「特色」と「柔軟なサービス」を提供することで安定した園児確保を目指します。これは、単に保育士を確保するだけでなく、彼らが楽しく活躍できる職場を育むことで、持続可能な経営基盤を形成しようとしています。

今後も、子どもたちに最良の保育環境を提供するため、社会の変化に柔軟に対応できる保育サービスを展開していく方針です。