これからの資源循環型社会を目指して
最近、海洋プラスチックごみ問題が深刻な社会課題として取り上げられる中、キユーピー株式会社と味の素株式会社が手を組み、使用済みマヨネーズボトルの回収実証実験を行っています。この取り組みは、「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」という官民連携の活動の一環であり、神奈川県川崎市のイトーヨーカドー溝ノ口店で実施されています。
実験の概要
2024年7月1日から始まったこの実証実験の目的は、家庭で使用されたマヨネーズボトルを集め、資源循環への第一歩を踏み出すことです。具体的には、生活者が使用したマヨネーズボトルを店舗内のリサイクルステーションに設置された特別な回収ボックスを通じて回収します。この回収ボックスは、マヨネーズボトルの状態や回収量を確認するために設置され、生活者に対して「マヨネーズボトルは再資源化可能である」という意識を促す役割も果たしています。
回収の成果
実証実験が開始されてからの進捗も注目すべきポイントです。2024年7月の実績では、回収品のなんと約90%がマヨネーズボトルであり、他にもケチャップやタルタルソースのボトルも回収されました。また、回収されたマヨネーズボトルの99%以上がきれいに洗浄されているという結果もあり、大変良好な数値を記録しています。さらに、回収される本数は開始初月の実績以来、約2.6倍にまで伸びています。
参加者の意識と啓発活動
このプロジェクトを通じて明らかになったのは、参加者に「マヨネーズボトルは洗浄しにくい」とする先入観が存在することです。多くの生活者は、マヨネーズの油分が残っていることに対する心理的抵抗を抱いていることがわかりました。このような意識に対して、啓発活動を通じて「マヨネーズボトルも簡単に洗うことができる」といった情報提供が重要であるとされています。また、実施店舗が遠いとの声も多く、地域ごとの啓発や回収拠点の追加が求められています。
今後の展開
今後の展開としては、2025年7月以降にイトーヨーカドーの他、ヨークマートなど複数の店舗での回収が予定されています。この拡大に合わせ、地域での啓発活動も強化され、生活者の理解を深めることを目指しています。これにより、より多くの人々に資源循環に対する興味を持ってもらうことが期待されています。
まとめ
海洋プラスチックごみ問題は、一人一人の行動によって解決可能な課題です。キユーピー株式会社と味の素株式会社が取り組むマヨネーズボトル回収実証実験は、より良い未来を目指す上での重要なステップとなります。さらに多くの生活者がこのプロジェクトに参加し、資源循環型社会を実現するための一助となることを願っています。
企業情報
- 代表者: 髙宮 満 / 所在地: 東京都渋谷区 / 売上高: 4,839億85百万円
- 代表者: 中村 茂雄 / 所在地: 東京都中央区 / 売上高: 1兆5,305億円