タンパク質合成停止の発見
2025-03-23 23:40:23

岡山大学が発見!新規ペプチド配列によるタンパク質合成の停止メカニズム

岡山大学が発見した新規ペプチド配列の意義



岡山大学、東京科学大学、東京大学の連携による研究が新たな展開を見せています。2025年3月23日、国立大学法人岡山大学は、生命を支える大事な要素であるタンパク質合成に影響を与える新しいペプチド配列の発見を発表しました。この発見は、タンパク質合成過程における「難翻訳」配列に関する理解を深めるとともに、将来的な医療やバイオ技術の進展に寄与することが期待されています。

研究の背景



タンパク質は細胞内のリボソームという装置によって合成される過程、すなわち「翻訳」と呼ばれる工程を経て形成されます。これまでの研究から、各々のアミノ酸配列はリボソームの合成において異なる難易度を持ち、「難翻訳」と呼ばれるアミノ酸配列が存在することが明らかになってきました。この難翻訳は、遺伝子発現制御に関与することも示唆されています。

新たな難翻訳配列の発見



岡山大学の茶谷准教授、及び東京科学大学と東京大学の研究チームは、大腸菌をモデル生物として新規の難翻訳配列を探索するための革新的な技術を開発しました。この結果、二つの新しい難翻訳配列「pepNL」と「nanCL」を同定することに成功しました。これらのペプチドは、リボソーム内で特異的な「ヘアピン」状の構造を形成し、タンパク質合成を阻害することが確認されています。

ペプチドによる翻訳阻害のメカニズム



さらに、クライオ電子顕微鏡を用いた解析により、PepNLペプチドがリボソームのトンネルで異常な折れ曲がりを生成し、タンパク質合成を停止させる詳細なメカニズムが解明されました。特に興味深いのは、細胞内のアミノ酸濃度が高い場合、PepNLによる翻訳阻害が終止コドンの読み飛ばしによって回避されることも明らかになった点です。

今後の展望



この研究は、2025年3月8日に高名な学術雑誌『Nature Communications』に掲載され、広く注目を集めることとなりました。難翻訳配列の理解は、医療技術や製薬の分野において、新たな遺伝子設計や効率的なタンパク質生産の実現に繋がる可能性を持っています。

今後も、岡山大学の研究は引き続き地域の発展とともに、国際的な研究コミュニティの中での地位を確立していくことでしょう。私たちがこれから享受するであろう科学の進歩に期待が高まります。

参考資料・リンク



本研究は、著名な研究資金機関の支援を受けて実施されており、今後の発展が期待されます。



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