岡山大学が新たな超伝導の制御法を発見!
2026年9月3日、岡山大学からの発表が世界の物理学界に大きな反響を呼びました。独自に開発された「一軸ひずみセル」を用いて、カゴメ金属という特殊な材料の超伝導の特性を新たな方法で制御することに成功したのです。これにより、従来の超伝導体において知られていなかった新しい量子現象が明らかになりました。
ひずみの力で超伝導の状態を変える
この研究は、岡山大学大学院環境生命自然科学研究科の竹内優介大学院生を中心に、川崎慎司准教授や鄭国慶教授などの国際共同研究グループによって行われました。彼らは、「カゴメ超伝導体」として知られるCsV3Sb5の結晶に、精密に引張りや圧縮を加える実験を実施しました。この過程で、ひずみに対する応答が異なる「2つの超伝導」状態を発見しました。ひとつは、ひずみに反応しやすい「特殊な超伝導」であり、もうひとつは、あまり影響を受けない「標準的な超伝導」です。この現象の分離は、科学界でも初めての事例です。
非従来型超伝導の劇的な増強
興味深いことに、特に非従来型の特殊な超伝導が、ひずみに応じて劇的に増強されることも明らかになりました。配列を引っ張る力が強まるにつれ、特殊な超伝導の転移温度が上昇し、超伝導が強化されるという結果が得られました。この発見は、超伝導の物理メカニズムを理解し、次世代の量子デバイス設計に新たな道を開くものと期待されています。
発見の重要性と影響
本研究の成果は、2026年8月28日にアメリカ物理学会の速報誌「Physical Review Letters」に発表され、さらに「Editors' Suggestion」という特別な評価も受けました。この評価は、特に重要で影響力のある研究に与えられます。このような評価を受けることは、研究の新しい発見が、未来の科学技術に与える影響の大きさを示しています。
川崎准教授は、今回の研究が物性物理学において新しいパラメータとしてひずみが重要であること、そして学生たちの努力による成果であると感謝の意を示しました。彼は今後も独自の技術を使って未知の現象に挑み、共同研究に興味のある研究者との連携を歓迎する意向を表明しました。
次世代の可能性
今後、この新たな制御法は、銅酸化物の非従来型超伝導のメカニズム解明に貢献するだけでなく、転移温度の高い革新的な超伝導材料の設計にもつながるとされています。物質をひずませることで、電子の通り道を変えたり特定の超伝導を直接操ることができるこの手法は、科学界に新たな風をもたらすことでしょう。
岡山大学は、この研究を通じて、次世代の量子デバイスの実用化やさらなる超伝導物質の解明に寄与することが期待されています。どのような新しい発見が待っているのか、今後の動向から目が離せません。