アマダ、基板穴あけ加工機のリーディングカンパニー買収
株式会社アマダは、2025年4月17日にビアメカニクス株式会社の全株式を取得する株式譲渡契約を結び、ビアメカニクスを完全子会社化することを決定しました。この買収によって、アマダが持つレーザー技術や生産供給体制とビアメカニクスの基板穴あけソリューション、顧客基盤が融合し、半導体市場への本格的な進出を目指します。
企業戦略と背景
アマダグループは「長期ビジョン2030」を掲げており、2025年度を最終年度とする3カ年計画「中期経営計画2025」に基づき、全社で新技術を活用した成長を目指しています。特に、レーザー技術による新領域の拡大を重視し、高成長が見込まれるe-Mobilityや半導体、医療分野へ進出することに注力しています。
半導体市場は、スマートデバイスの小型化や高機能化が進む中、製造工程において微細化や短納期化が求められるため、アマダはレーザー加工に注目し、その技術を活用したM&Aを模索してきました。
ビアメカニクスの価値
ビアメカニクスは、1968年に設立され、基板穴あけ加工機の世界的なリーダーとして成長してきました。特に、ハイエンド基板は高性能半導体が搭載され、最近ではスマートデバイスや生成AI向けの半導体で広く使用されています。この分野では、微細化が進み、さらには多層化や材料の多様化が求められています。ビアメカニクスは、これらのニーズに応えるため、超高速スピンドル技術や高精度ガルバノ技術を駆使したドリル穴あけ機やレーザ穴あけ機を提供しています。
シナジーの創出
アマダが持つレーザ技術や自動化装置に加え、ビアメカニクスの高精度な穴あけ技術は互恵的な関係を築くのに最適です。両社のシナジーによって、既存のサービスを強化しつつ、高品質な製品を市場に提供していくことを目指します。
買収の具体的な内容
この株式譲渡契約では、アマダが2025年4月17日付で、アドバンテッジパートナーズが管理するファンドからビアメカニクスの全発行済株式を取得、取得価格は510億円とされています。株式譲渡は2025年7月を予定しており、ビアメカニクスは引き続き顧客との関係を深めながら、製造、販売、サービスぶん野で貢献します。
将来展望
アマダとビアメカニクスの連携により、半導体産業だけでなく他の分野においても総合的なソリューションを提供可能になると考えられています。アマダグループは、販売網やサービス提案力の相互活用を通じて、長期ビジョン2030の達成に向けてさらなる成長を目指すでしょう。
企業情報
所在地:神奈川県厚木市
設立:1968年
代表者:清水秀晃
売上高:43,292百万円(2024年3月期)
従業員数:562名(2024年3月期)
このように、アマダの新たな展開とビアメカニクスとの融合は、今後の半導体市場において期待される革新を生み出すことでしょう。