次世代太陽電池の実用化に向けた取り組み
神奈川県で新たに採択された「令和7年度神奈川県カーボンニュートラル研究開発プロジェクト推進事業」に、株式会社PXPと東京ガスが共同開発を進めるフィルム型次世代太陽電池の実用化が選ばれました。このプロジェクトでは、耐荷重の低い屋根でも設置可能な新しいタイプの太陽電池を開発することを目指しています。
フィルム型太陽電池の特徴
このフィルム型カルコパイライト太陽電池は、特にスレート屋根などの軽量な屋根材への設置を容易にします。両社は実用化を2026年度に目指し、パネル構造と施工方法の確立を進めていきます。日本において、この種の屋根への太陽電池設置は初めての試みとなります。
太陽光発電の現状と今後の計画
第7次エネルギー基本計画によると、2040年までに日本での太陽光発電の電源構成比は22~29%に達するとされています。しかし、適した設置場所の不足や耐荷重に関する課題から、実際には多くの産業用屋根が太陽光パネル設置を断念しています。そのため、耐荷重の低い屋根での太陽光発電の推進が強く求められています。2050年には、このような屋根に設置可能な太陽光発電の容量が約169GWにも達すると予測されています。
開発の内容と目的
PXPが提供する次世代カルコパイライト太陽電池は、平米あたりの重さが1kg以下であり、これを東京ガスの高い施工技術と組み合わせることで、スレート屋根等への設置を実現します。具体的には、耐久性や安全性を確認するとともに、実証試験を行い、確固たるパネル構造と施工法を確立していきます。
企業のエコ意識と共創の精神
両社の取り組みは、単に新しい技術の開発にとどまらず、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な一歩となります。これまで設置が難しかった屋根にも太陽光パネルを設置できるようにすることで、国内の太陽光発電導入量の拡大に寄与し、持続可能なエネルギー供給の確立を目指します。
PXPと東京ガスの取り組みについて
PXPは、次世代太陽電池の開発と量産化に向けた研究を進めています。このカルコパイライト太陽電池は、軽量さや高い発電効率に加え、耐久性にも優れています。一方、東京ガスは「ヒナタオソーラー」として提供する太陽光発電サービスを通じ、独自の施工方法で安全かつ信頼性の高い設置を実現しています。2024年には、新しい接着工法を開発し、さらなるサービス提供を予定しています。
未来への期待
このフィルム型次世代太陽電池の開発は、太陽光発電の新しい可能性を切り拓くと同時に、環境に優しい社会を実現するための重要な一歩です。これからの取り組みに期待が高まります。