ファミリーマートが「涙目シール」を導入し、食品ロス削減へ向けて新しい一歩を踏み出す
ファミリーマートは、消費期限が迫ったおむすびや弁当類に新たに「涙目シール」を導入し、その取り組みを2025年3月11日から全国展開することを発表しました。このシールは、単なる値下げのためのものではなく、消費者の感情に訴えるデザインとメッセージを組み合わせることで、食品ロスの問題を多くの人に知ってもらうことを目指しているのです。
「涙目シール」の選ばれる理由
「涙目シール」は、値下げ商品の価格とともに、「お客さまの心に響くメッセージ」を添えることで、購買の動機を高めようとしています。「たすけてください」という言葉は、廃棄される運命にある食材たちの思いを表し、目に入ったときに食品ロスについて考えるきっかけを提供します。こうしたシールのデザインは、消費者の共感を得るために複数案が用意され、評価を受けた上で採用されたものです。
2024年に行われた実証実験では、実際に「涙目で思わず手に取った」という声や、「食品ロスに対する意識が高まり、購入に繋がった」との反響もあり、好意的な評価を受けました。この実験から得たデータは、今後の全国展開に向けての大きな自信となっています。
東海地方からスタート
「涙目シール」の導入は、東海地方(愛知、岐阜、三重、静岡の一部)からスタートし、順次全国展開される予定です。シールは、10円から150円までの7つのデザインが用意され、消費者の目を引きつける工夫がなされています。各店舗によって導入のタイミングは異なりますが、店舗を通じての食品ロス削減効果は年間約3000トンと予測されています。
消費期限が2時間延長
さらなる取り組みとして、ファミリーマートは製造工程の見直しを行い、おむすびや弁当、寿司などの米飯商品(チルド商品を除く)の消費期限を2025年3月4日より2時間延長することが決定しました。これは消費機会を増やし、結果として食品ロス削減に繋がると期待されています。
ファミマの持続可能な取り組み
フードロスの問題は、世界的にも深刻な課題となっています。ファミリーマートは「ファミマecoビジョン2050」に基づき、店舗でのフードロスを削減していくためのさまざまな取り組みを進めています。これまでにトータルで28.9%の削減を達成しており、2030年には50%、2050年には80%の削減を目指しています。
このように、ファミリーマートは全社を挙げてフードロスの削減に取り組む姿勢を見せており、「涙目シール」を有効活用することで、消費者との共同作業による意識の喚起を期待しています。これからも食品ロス削減に向けた様々な新しい試みが続くことに期待が寄せられます。