紫外線対策に新たな視点を！肌のDNA修復力に関する研究

近年、ポーラ・オルビスグループの傘下にあるポーラ化成工業株式会社は、肌における紫外線（UV）の影響やその修復に関する新たな研究を発表しました。この研究は、UVによってダメージを受けた肌がどのように自己修復するか、その際の要因に注目しています。特に、肌のDNAを守るための「直後」の修復力が、長期的なキズの蓄積にどのように関わるかが焦点となっています。

紫外線と肌の関係

ヒトの肌は、他の動物に比べて敏感で、特にUVB波による影響を受けやすいです。UVB波は表皮細胞のDNAに直接的なキズを与え、通常、肌は自身の修復機能によって回復しようとします。しかし、加齢や生活習慣の影響で、この修復力は低下し、その結果シミやシワといった光老化が進行します。このリスクを軽減するためには、DNA修復力を高めることが重要とされています。

IGF1Rの重要性

ポーラ化成工業の研究において、注目されたのはIGF1R（Insulin-like Growth Factor 1 Receptor）という受容体です。この受容体は、紫外線を浴びた直後のDNA修復に非常に重要であることがわかりました。IGF1Rが減少すると、UV照射後の修復力が低下し、その結果、DNAのキズが蓄積しやすくなることが確認されました。実験では、IGF1Rの遺伝子発現が減少した表皮細胞で、修復因子の働きが低下し、時間が経つにつれて修復能力が回復しないことが示されました。

アルニカエキスの効果

さらに、研究の進展に伴い、アルニカエキスがIGF1Rの遺伝子発現量を約2倍に増加させることが確認されました。アルニカは、古くから肌の健康に寄与してきた植物で、その成分が紫外線による肌ダメージからの防御に役立つ可能性があることが示唆されています。ポーラ化成工業は、この発見を基に、より効果的なスキンケア製品の開発を目指すとしています。

まとめ

この研究から得られた知見は、紫外線対策の観点に新しい視点を提供しています。UV対策には、色々な方法が存在しますが、肌の「直後」の修復力を高めることは、それと同じくらい重要であることがわかりました。今後、ポーラ化成工業は、肌のメカニズムについての理解をさらに深めるための研究を継続し、より良いスキンケアを提供していく方針です。最新の研究成果が、私たちの美容法に新しい選択肢をもたらしてくれることを期待しています。