横浜で生まれる新たなクラフトビール文化
2023年11月13日、横浜のクラフトビール愛好者たちにとって待望の瞬間が訪れました。横浜市内の11のクラフトブルワリーが連携し、「Yokohama クラフトビール アソシエーション」が発足し、サポーターとして横浜市も参画しました。このイベントはキリンビール横浜工場で開催され、約120名の市民や報道関係者、ブルワリーの関係者が集い、横浜の魅力をクラフトビールで発信していく新たなスタートを祝いました。
アソシエーションの概要
「Yokohama クラフトビール アソシエーション」は、横浜のビール文化を育成し、地域に根ざしたクラフトビールの品質向上を目指します。参加するブルワリーは、名高い「イエローモンキーブリューイング」から「横浜ビール」に至るまで、多種多様な企業が揃い、幅広いビールの楽しみ方を提供しています。横浜市および商工関連団体と連携し、官民共同で「クラフトビールと言えば横浜!」と評される街の実現に向けて動き出しました。
具体的には、クラフトビールの品質向上を図り、ブルワリー同士が情報を共有し、共同でイベントを実施することが計画されています。また、横浜クラフトビールマップの制作や勉強会、コラボ商品の開発など、多岐にわたる活動が予定されています。これらの取り組みにより、横浜に住む人々や訪れる観光客が、より身近にクラフトビールを楽しむ文化が根付きつつあります。
トークセッションから見える未来
イベントでは、ブルワリーの代表者やサポーターたちによるトークセッションも行われ、地域との連携や未来展望が語られました。Yokohama クラフトビール アソシエーションの会長である大谷哲司氏は「横浜をクラフトビアシティとして市民に愛される街にしたい」と述べ、未来に向けた強い意志を示しました。また、キリンビールの醸造責任者である蒲生徹氏は「横浜の歴史的背景を踏まえ、街全体でクラフトビールを盛り上げる可能性がある」と期待を寄せました。
市民の熱気と関心
この発足イベントは、横浜市民を対象にした工場見学も同時に行われ、特別見学会には2056件の応募があり、当選倍率はなんと72倍に。見学した市民たちは、試飲会で地元ブルワリーのクラフトビールを堪能し、楽しみながら横浜とビールの歴史について学びました。
参加者からは「クラフトビールがこんなにたくさんあるとは知らなかった」「作り手の声を直接聞けて特別な愛着が芽生えた」などの声が寄せられました。新たに横浜に移住した一家や、長く横浜に住む人々も、クラフトビールを通じて新たな価値観を発見した様子が見て取れました。
横浜とビールの歴史
横浜とビールの関わりは1869年にさかのぼります。日本初のビール醸造所が横浜に設立されて以来、横浜は西洋文化の入り口としてビール需要が高まり、多くの醸造所が設立されることに。現在では17のブルワリーが軒を連ね、全国的にも有名なビール文化が根付いています。
美しい水際線の景観の中で、横浜ならではのクラフトビールが楽しめることも、この街の特長です。アソシエーションを通じて、さらなる情報発信と関係の構築を目指し、横浜のクラフトビールが日本一の観光資源となることが期待されています。
圧倒的な輝きを放つクラフトビール、そこで育まれる地域愛や新しい文化の波は、横浜をさらに魅力的な街にしていくことでしょう。