インドネシアでの成功を基に、やよい軒がさらなる店舗展開へ
日本の人気定食チェーン『やよい軒』が、海外展開の新たな舞台としてインドネシアに参入しました。株式会社プレナスが手掛けるこのチェーンは、361店舗を国内に持つほか、海外にも249店舗を展開。その中で2025年4月現在、インドネシアに1号店をオープンし、早くも好調な出だしを見せています。
インドネシア市場の魅力
インドネシアは、人口約2.8億人を抱えるASEANの中で最大の経済大国であり、今後も経済成長が注目されています。2023年現在のGDPは世界第16位、経済成長率も安定しており、年平均で4~6%の伸びを記録。特に30歳代が中心の若い世代が多く、購買力が急速に高まっています。このような背景が、やよい軒の成功を支える要因となっています。
さらに、インドネシアでは外食が一般的であり、ショッピングモールも食事の場として頻繁に利用されています。特に日本食は、インドネシア料理と味付けや食材の共通性があり、受容性が高いとされています。これにより、やよい軒の和食スタイルがインドネシア市場に適応しやすい状況です。
成長戦略と店舗デザイン
やよい軒は、2006年にタイへ初出店して以来、海外への展開を成長の重要な柱の一つと位置付けています。インドネシアは8か国目の進出先であり、今後は国内でのさらなる出店を目指しています。1号店となる「YAYOI GANDARIA CITY MALL」は、フィリピンやマレーシアの平均売上を上回る好調さを見せています。目標として、今後5年以内に10店舗の開店を計画しています。
店舗デザインは、日本の伝統が感じられる和を基にしており、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。キャッシュレスやセルフサービスを採用せず、オーダーはテーブルに設置されたタブレットから行う形をとっています。オープンした「ガンダリア シティ モール」は、ジャカルタ南部に位置する複合施設であり、ショッピングやさまざまな楽しみが揃います。
メニューの特徴と価格
やよい軒のメニューは、日本の食文化を反映した和の定食が中心です。肉、魚、野菜をバランスよく提供するというスタイルで、定食18種、丼7種、うどん2種、ドリンク類を用意しています。オープン時の価格は、日本円にして約600円から1,600円に設定されており、中央値は1,060円程度。例えば、「すき焼き定食」は145,000Rp(約1,420円)で提供されています。
今後はメニューのラインナップをさらに充実させ、インドネシアの食文化と合った新たな料理も取り入れていく計画です。食事の質を保ちつつ、日本のおいしい食を未来につなげ、広げるための取り組みが進行中です。
まとめ
やよい軒のインドネシア進出は、日本食の魅力を新たな市場に届けるだけでなく、海外展開の重要な成功例としても多くの注目を集めています。今後のさらなる出店計画と、インドネシア市場での成長が非常に楽しみです。やよい軒は、日本の食文化を世界へ広げるため、これからも挑戦を続けていくことでしょう。