岡山大学が目指す子宮頸がん治療の新たな希望と妊娠の可能性

岡山大学が開発した子宮頸がん治療の新たな可能性

岡山大学の研究チームが、子宮頸がんの患者に新しい治療法を提案します。これまで手術により子宮を摘出しなければならなかった多くの若年患者にとって、朗報となるかもしれません。この新たなアプローチにより、子宮を温存しつつがん治療を行い、さらには治療後の妊娠の可能性を残すことが期待されています。

新しい治療法の特徴

長尾昌二教授をはじめとする岡山大学の研究グループが開発した治療法は、術前に抗がん剤を投与して腫瘍を縮小させた後、子宮頸部の円錐切除術及び腹腔鏡下骨盤リンパ節郭清を行うというものです。これにより、子宮摘出が必要とされていたIB2期、IB3期の患者に対して新たな選択肢を提供することが可能になりました。

妊娠の機会を守る

この治療法が成功すれば、子宮頸がんにかかりながらも将来的に妊娠を望む若い女性たちが、その希望を維持することができます。従来はがんの治療により子宮を失ってしまうことが多かったため、これにより多くの人々に希望の光を与えることが期待されています。

国際的な取り組みとの違い

現在、ヨーロッパなどでまれに行われている試みとは異なり、岡山大学の研究は、臨床研究としての資料と安全性を確保した上で行われる初の試みです。これは、全世界で初めてのアプローチとなり、今後の婦人科がん治療に新たな道を切り開く可能性があります。

期待される今後の成果

研究は2025年6月1日から参加者の募集が開始され、治療が進むにつれ、再発のリスクが低ければ、患者は妊娠を目指すことができるようになります。今後の研究が進むことで、さらなる治療法の改良が行われることが期待されています。

長尾教授、依田尚之助教、谷岡桃子医員が揃って語ったように、若年患者への新たな治療選択肢が生まれることで、未来に希望を与える道が開かれています。