大正生まれの人々の声を未来へ
2025年、最年少で100歳を迎える大正生まれの方々の人生を記録する新たなプロジェクトが始まりました。その名も「大正の人」。このプロジェクトは、前回の「明治の人」に続く文脈で、全国各地の大正生まれの人々の貴重な言葉を集め、彼らの人生の物語を未来に伝えることを目的としています。
プロジェクトの始まり
このプロジェクトの立ち上げには、代表を務める林さゆりさんの特別な想いが背景にあります。彼女の祖母から受け継いだ「生きる知恵」としての口癖や生き方が、今を生きる私たちにとって大切な教訓であると感じ、その想いを広めるために「明治の人」を2020年に出版しました。その本には、多くの名もなき人々の声が収められており、戦争や困難な時代を生き抜いた彼らの生の言葉が、今もなお多くの読者の心を打ち続けています。
困難な時代を生き抜いた人たちの知恵
このプロジェクトを通して収集された言葉は、まさに現代にも響く教えです。「年寄りには何も要りません。でも、たったひとつ必要なのは“家族の愛情”です」といった言葉からは、単なる記録を超えた深いメッセージが感じられます。また、青春を過ごした戦争体験者の声には「戦争の悲惨さは、行った者にしかわからんわ」といった重みがあり、その言葉は後世に向けての警鐘のようにも感じるでしょう。
プロジェクトの目的
この取り組みには、二つの大きな目的があります。第一に、超高齢化社会の日本において、100年以上生き抜いた方々の知恵を記録することで、希望と元気を高齢者に届けること。第二に、世代間の分断が進む中、3世代から4世代をつなぐ役割を果たし、若い世代に「家族の語り部」としての意識を育てることです。
今こそ「聴くべき時」
「今、聴かなきゃ、もう聴けない」との思いも胸に、2023年4月から取材のお申し込みを受け付け、全国を巡る活動を開始しました。大正生まれの方々から直接聞く「生の言葉」は、記録されることによって、未来の世代に大きな知恵とインスピレーションを提供するでしょう。この貴重な体験を語ることで、私たち自身が再び家族のつながりを考えるきっかけにもなればと願っています。
フィナーレに向けて
懸命な努力で生き抜かれてきた人々の声を、私たちがどう受け継ぎ、次の世代に伝えていくか。プロジェクト「大正の人」を通じて、数十年後の未来にも残したい「家族の愛情」を再確認する機会となることを願ってやみません。
協力のお願い
現在、全国各地の大正生まれの人々からの取材協力を求めています。家族、友人、近所の方々の中で大正生まれの方をご存知の方は、ぜひご連絡ください。丁寧に取材し、喜んでいただけるよう心掛けます。
詳細についてのお問い合わせは、以下までお願いいたします。
参考リンク
このプロジェクトは、社会全体への温かいメッセージになることを目指しています。多くの方々の協力をお待ちしております。