岡山大学発ベンチャー企業が国際的コンペで4つの栄誉を獲得
2025年2月5日、国立岡山大学発のベンチャー企業、株式会社ハイドロヴィーナスが「未来X DEMO DAY 2025」において、部門別最優秀賞である未来X賞をはじめ、NOK Dream Journey賞、不動テトラ賞、GAPグラント賞の4つの賞を受賞しました。このイベントは、三井住友フィナンシャルグループが主催するもので、スタートアップやベンチャーキャピタル、公的機関など多様な企業が新規事業を創出するエコシステムプラットフォームとして活動する場です。
受賞技術の紹介
ハイドロヴィーナスの中心的な技術は、岡山大学の比江島慎二教授が発明した水力発電機「Hydro-VENUS」です。この発電機は、半円柱型の振り子を水流で振動させ発電する独自の方式を採用しています。これにより、従来のプロペラ方式に比べて製造コストが低減し、維持管理も容易になるという利点があります。
同社はこの水力発電技術を活用し、河川や水路における持続可能なエネルギー供給を目指しています。さらに、AIを利用したセンシング通信ネットワークを構築し、日常的な水管理や氾濫リスク予測を行う「治水DXソリューション」を提供しています。この技術は、電源不足で困難だった地域にも新たな価値を提供し、社会的にも大きな意義を持っています。
DEMO DAYでの発表
DEMO DAYでは、代表取締役の上田剛慈さんが登壇し、同社のビジョンや技術、事業の詳細についてプレゼンテーションを行いました。その結果、同社の技術力と事業の将来性が認められ、受賞に至りました。
受賞の特典として、各賞の支援を受ける権利と共に、さらなる技術開発のための資金支援も確保できることとなります。上田社長は、「このような評価をいただけたことを大変光栄に思います。持続可能なエネルギーを実現し、災害リスクを低減するための技術を提供することで、多くの人々に貢献したい」と述べています。
未来への展望
今後も岡山大学は、スタートアップ支援を通じて地域や国際社会のイノベーション創出に邁進していきます。特に、スタートアップ・ベンチャー創出本部が窓口となり、事業化に向けたアドバイスや支援を行っています。ベンチャー企業の設立に興味がある学生や教職員に向けても、相談の機会が設けられています。
地域の中核を担う岡山大学と、自らの技術で未来を変えようとする株式会社ハイドロヴィーナスの活動には、今後も大いに注目が集まります。受賞を機に、さらなる技術開発と社会実装の加速を期待しましょう。
参考リンク
岡山大学は、持続可能な開発目標(SDGs)にも取り組んでおり、地域や国際社会への貢献を目指しています。これからも岡山大学の活動にご期待ください。