長崎の歴史探訪―横浜開港の礎を知る特別公開展示
横浜開港資料館で開催される特別公開「長崎―開港都市横浜の前提」が、2025年5月24日から7月27日までの間、横浜市にて実施されます。この展示は、長崎の貿易都市としての歴史と、それがどのように横浜の開港に影響を与えたのかを物語る貴重な機会です。
江戸時代の長崎に思いを馳せる
長崎は1571年に開港し、以降、安政6年の1869年に開港した横浜よりも300年も早く、活発な国際貿易を展開してきました。当時の長崎には、中国の唐船やオランダ船が往来し、町は異国文化に満ちていました。伊豆の御手洗から引き上げられた商船での交流があったことも、長崎の歴史の特異性を際立たせています。
この特別公開では、約50点の資料を通じて、長崎の江戸時代の様子やその独特な文化を紹介します。特に注目すべきは、唐人屋敷の絵図や当時の外国船の描写を含む古文書です。
展示の見どころ
1.
長崎の唐人屋敷の絵図
江戸時代、中国人が囲いの中で生活していた唐人屋敷の手書きの絵図面が展示されます。これは幕府が崩壊した慶応3年(1867年)に作成されたもので、当時の長崎の社会構造をもの語っています。
2.
外国船を取り囲む様子
1647年、貿易再開を求めて訪れたポルトガル使節を描いた絵図は、外国との関わりの難しさを物語っています。この作品は、当時の緊張した国際関係を伝えており、長崎がどれほど国際的な舞台であったかを実感させてくれます。
3.
浮世絵に描かれた長崎市街と遊廓
長崎の遊廓街を描いた浮世絵も見逃せません。五雲亭貞秀が手がけたこの作品には、長崎の美しい町並みとともに、当時の遊興文化も垣間見ることができます。
実施詳細
- - 会期: 令和7年(2025)年5月24日(土)~7月27日(日)
- - 開館時間: 9:30~17:00(入館は16:30まで)
- - 入館料: 一般500円、学生250円(無料開催日あり)
- - 休館日: 毎週月曜日、特定の日
展示期間中には、担当者による解説も行われる予定で、予約不要で参加できるため、気軽に訪れることができます。この機会に、長崎の歴史の奥深さを体感し、横浜の讃えられる港町としての発展の背景を知る良いチャンスです。
歴史を愛する方、また江戸時代の文化に興味がある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。この展示を通じて、長崎と横浜の意外な繋がりを発見できることを期待しています。