堀文子の仕事 イタリア・トスカーナ展、銀座で開催
2025年11月13日から26日まで、銀座のナカジマアートで「堀文子の仕事 イタリア・トスカーナ展」が行われます。この展覧会では、2019年に100歳で亡くなった日本画家・堀文子が欲した「無垢の感動」を体験できる貴重な機会です。本展では、堀文子が描いたイタリア・トスカーナ地方の作品が中心に展示される予定です。
堀文子のトスカーナ情熱
堀文子は1987年、68歳の時にイタリア・トスカーナのアレッツォ郊外にアトリエを構えることにしました。当時の日本はバブル経済の真っただ中で、華やかさに包まれる日々が続いていましたが、堀はそんな環境に背を向け、観光地から離れた貴族所有のヴィラを拠点に選びました。そこで彼女が触れたのは、まるで絵画の中に描かれたかのような美しい村々や城、糸杉が立ち並ぶ風景でした。
この地での5年間は堀にとって大変重要な時期であり、彼女はトスカーナ地方での生活を通じて心と精神を洗われ、創作に対する新たな情熱を取り戻しました。堀がこの経験を「無垢の感動を取り戻すことができた」と表現しているように、トスカーナの自然や文化、そして歴史が彼女の作品に大きな影響を与えました。
展示内容と特別販売
展覧会では、堀文子がトスカーナで描いたスケッチや日本画、約20点が紹介されます。中でも1987年から1992年にかけての作品が中心となり、野花や丘、そして彼女の視点で捉えた田園風景が続々と展示される予定です。また、1992年にアレッツォで開催された「堀文子日本画展」の当時のポスターが数量限定で販売される予定で、購入することで堀文子を支援することもできます。ポスターの価格は11,000円、サイズは99×68cmです。
さらに、堀文子の作品に関連したオリジナルグッズも販売される予定です。2026年の暦やトートバッグ、Tシャツなど、アート好きにはたまらないアイテムが揃います。グッズの中には、堀文子が長年にわたり作り上げた作品を基にしたものや、日常使いができるものが含まれています。これらのアイテムは、堀文子の作品の魅力を身近に感じることができる素敵なチャンスです。
堀文子の生涯とその影響
堀文子は1918年に東京に生まれ、女子美術専門学校を卒業後、創造美術や新制作協会、創画会を通じて活動を続けました。彼女は日本画の革新者として評価され、特に戦後の日本画界における重要な人物となりました。1961年には、約2年にわたる海外放浪の旅を経て、運命的にイタリアにて自らのアトリエを設けました。以降、堀はイタリアと日本を行き来しながらキャリアを築きました。
彼女の作品は、生きた自然や人々の情感を描き出し、見る人々に深い感動を与え続けています。堀文子の人生やアートは、世代を超えて愛され、文化の一部として根付いています。
まとめ
堀文子の名作を一挙に見ることができるこの特別展は、イタリア・トスカーナの魅力を再発見する絶好の機会です。また、堀文子の偉大な足跡に触れ、彼女が感知した無垢の感動を共有する貴重な経験をぜひお楽しみください。銀座のナカジマアートでお待ちしております。