青森県藤崎町に新たな循環型農業拠点が誕生!
青森県藤崎町が、循環型農業を推進するアクアポニックス事業を導入します。この事業は、神奈川県横浜市に拠点を置く株式会社アクポニがアドバイザーとして採択され、2026年度から本格的にスタートする予定です。
アクアポニックスとは、水耕栽培と養殖を組み合わせた農法で、生態系のバランスを保ちながら生産を行う持続可能な農業のスタイルです。特に、この農法では化学肥料や農薬を使用せず、環境に優しい製品を提供することが可能です。青森県内でこの事業が実施されるのは初めての試みで、地域経済や教育の活性化が期待されます。
持続可能な地域モデルの実現へ
藤崎町では、閉校した旧弘前実業高校の校舎を「アクアポニックスタウン」という複合施設にリノベーションし、地域の資源を有効活用したプロジェクトを進めています。このプロジェクトの目的は、農業、教育、観光、地域連携の複合的な機能を持つ施設を整備し、地域の活性化を図ることです。
このアクアポニックス事業は、子どもたちや新規就農者、障がい者の雇用の創出を目指し、幅広い世代に対して第一次産業の重要性を伝える場を提供します。また、食文化の体験や、地元産品の消費促進によって地域全体の賑わい創出にも寄与します。
県と企業が手を取り合って
2023年9月には、藤崎町が公募したアクアポニックスのブランディングプランを受注したアクポニが、地域の企業や農業従事者と意見交換を行い、具体的な事業案をまとめました。この結果、2024年3月には企画書を提出、さらに2025年3月には定例町議会で事業化が承認され、2026年度内に事業の開始を見込んでいます。
藤崎町の平田町長は、SDGsの理念に基づく資源循環型農業を通じて、地域の持続可能な未来を創造することを基本コンセプトとして掲げています。このプロジェクトではアクアポニックス農園に加え、収穫した農産物を用いたカフェや緑地公園の整備も計画されています。
教育と福祉の連携
この事業の鍵となるのは、市民と共に運営する「農福連携」。障がい者が地域の農業に参加することを通じて、生きがいや社交の場を提供します。さらに、学校教育にも活用し、子どもたちに農業体験の機会を届けることで、食への関心や環境意識を高める活動が期待されています。
地域資源の有効活用
アクアポニックスによる地域資源の循環は、輸送コストの削減やフードマイレージの低減に貢献し、環境配慮の観点からも重要です。また、この農法では、土耕農法と比較して約7倍の生産性を持ち、80%以上の水を節約できるため、持続可能な食料生産が実現します。青森県内でも高品質な野菜や魚が手に入るようになり、地域の食文化が豊かになることが期待されます。
想いを込めたアプローチ
株式会社アクポニの代表取締役、濱田健吾氏は、地域の未利用施設を活用したこの事業の展開が、持続可能な地域モデルの構築に繋がると述べ、特に多世代への教育的価値と地域経済の振興を強調しています。このように、アクアポニックスは単なる農業の枠を超え、地域全体を巻き込んだライフスタイルの変革へと繋がっていくのです。
持続可能な社会の構築に向け、アクポニは今後も自治体との連携を強化し、この新しい農業モデルを全国に広めていくことを目指します。藤崎町のアクアポニックスタウンから時間をかけて、地域と共に育まれる未来が築かれることに期待をかけています。