AIで漏水調査
2025-06-19 13:45:28

横浜の水道管漏水調査にAI技術を活用する実証がスタート

横浜の水道管漏水調査にAI技術を活用する実証がスタート



2024年11月22日より、横浜市水道局と東京科学大学発のベンチャー企業、wavelogy株式会社が共同で、AIを用いた水道管の漏水検知に関する実証実験を開始します。このプロジェクトは、横浜市内の特定エリアで行われ、水道管の漏水をより効率的かつ正確に発見することを目的としております。

実証実験の目的


この実証実験では、wavelogyが開発したAI漏水検知ツール「SuiDo」の有用性を検証します。具体的には、水道局が通常行っている音聴調査をDX(デジタルトランスフォーメーション)とAIを用いて効率化し、定量化する方法に焦点を当てています。2024年には漏水音データの収集が行われ、2025年度の後半にはAIによる漏水判定モデルの評価が開始される予定です。最終的には、2028年度に本技術を実用化し、水道インフラのコストと時間を大幅に削減することを目指しています。

背景


水道インフラの多くは高度経済成長期に整備されたもので、今や年間で2万件以上の漏水や破損事故が発生しています。この問題の背後には、インフラの経年劣化だけでなく、漏水調査に必要な専門技術が不足するという課題もあります。人口減少に伴い、技術者の確保や育成が難しくなっているのです。また、自然災害が水道インフラに与える影響も無視できません。横浜市では、音聴調査を通じてこの課題に対応しようとしていますが、その中で技術の継承をしっかりと行う必要があります。

本実証のアプローチ


本実証では、既存の漏水調査フローを変更せずにデータ収集が行われます。具体的には、音聴棒や漏水探知機に専用のデータ収集装置を取り付け、音データとともに位置情報を同時に収集します。集められたデータは、AIが解析し、漏水診断を支援するために利用されます。このプロセスにより、専門技術者不足による調査や復旧作業の遅延を回避しようとしています。また、専門技術者がAI診断結果を評価し、フィードバックを行うことで、AIの精度向上も図ります。

新たな技術者育成の支援


さらに、専門技術者の判定結果と集めた漏水音データを可視化し、一つのプラットフォームに統合します。これにより、調査業務の効率化だけでなく、次世代技術者の育成支援としても役立てることが期待されています。技術者の作業負荷を軽減し、技術と知見を伝える環境を整えることで、水道管の漏水調査業務の効率化と人手不足解消に貢献します。

実証の進め方


実証実験は横浜市の水道局エリアで行われ、2024年11月22日から2026年3月31日までの期間に、漏水音データの収集運用確立が進められます。また、関連企業であるwavelogyが漏水音データの収集および解析、その結果に基づくAIアプリの提供を担います。横浜市水道局は現場の調査エリアを提供し、水道管情報なども提供します。

未来への期待


wavelogy株式会社は、音を通じて新たな産業を創出し、日々の生活に笑顔を増やすことを目指しています。この取り組みを通じて、横浜での暮らしを支える水道インフラの質を向上させることが期待されています。より効率的な漏水調査と人手不足の解消が実現すれば、全ての横浜市民にとって大きな利点となることでしょう。


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