いすゞ自動車CHRO・有沢氏が語る人的資本経営の実践
労働市場が変化し続ける中、企業の人事戦略にも新しい視点が求められています。特に今回のオンラインセミナーでは、いすゞ自動車株式会社の最高人事責任者(CHRO)、有沢正人氏が登壇し、人的資本経営の具体的なアプローチとその理念について貴重な見解を提供しました。特に、人的資本経営が如何に社員の市場価値を向上させるかを中心に深掘りされました。
「人的資本経営」とは?
人的資本経営とは、企業が持つ人材を単なるリソースとしてではなく、重要な資本と位置付け、その育成と活用を戦略的に行おうとする考え方です。有沢氏は、この考え方の核心に「社員一人ひとりのマーケットバリューを向上させること」があると明言しました。この考え方を実現するためには、どのような施策が必要なのでしょうか。
具体的な施策の三本柱
有沢氏は、人的資本経営の実践には以下の三つの柱があると提唱しました。
1.
公正な評価と報酬制度:透明性の高い基準に基づき、役割と成果に対して公正に応える仕組みを整備します。
2.
計画的な経営人材育成:20代から次代を担う人材を選抜し、早い段階からの教育・育成を行います。
3.
キャリア自律の支援:社員が自身の意志でキャリアを選択できる環境を設け、成長を促進する仕組みを作ります。
これらの施策に基づき、社員一人一人が持つポテンシャルを最大限に引き出すことが目指されているのです。
CHROの役割とその意味
有沢氏は自らの役割を「人事をコストではなく人材投資と捉えること」と位置づけ、その効果を最大化することが重要だと強調しました。具体的には、社員の「生の声」をしっかりと聞き取り、それに対する答えを明確にすることが求められています。これにより信頼関係を築き、持続可能な成長を確保するための基盤が整います。
今後の展望
いすゞ自動車は、今後、エンゲージメントサーベイの結果を役員のKPIに位置づけるなど、人的資本経営を更に推進する計画を掲げています。これは、企業の成長とともに、個々の社員のキャリア自律を同時に実現するための重要な戦略です。
さいごに
今後の企業にとって、単なる売上増加ではなく、スタッフ一人一人の成長が持続可能な経営の要となるでしょう。人的資本経営の考え方が広がる中で、社員が自らの価値を実感し、企業と共に成長していく姿を期待したいものです。セミナーのアーカイブ視聴は
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