エチオピア出身の難民人材が昭和精工で新たな一歩を踏み出す
最近、エチオピア出身の難民人材が昭和精工株式会社に正社員として採用されたことが注目を集めています。この採用を実現したのは、彼らへ就労のサポートを行うNPO法人WELgeeです。WELgeeは、日本でのキャリア形成を支援する活動を行っており、今回の採用が中小企業における難民人材としての活躍の先進事例となります。
昭和精工株式会社は、神奈川県横浜市に本社を構える精密金型メーカーで、さまざまな精密部品の設計・製造を手がけています。同社では、缶ビールやCD関連の部品、自動車の重要パーツなどを製造し、その優れた技術力で業界内に広く知られています。今回採用されたRさんは、2017年に来日し、これまでサバイバル仕事を続けながら日本語を習得してきました。彼は、母国エチオピアで地質学を専攻し、政府機関で5年以上にわたり地質調査やミネラル探査に関わった実績があります。
Rさんの新たな挑戦
Rさんは、2024年の8月に昭和精工の工場見学に参加し、同社の業務に自分の専門技術が活かせると確信しました。それをきっかけに応募し、2025年3月から6ヶ月の試用雇用が始まりました。彼の持ち前の真面目で前向きな姿勢が評価され、特に海外出身の同僚の方々とのコミュニケーションや、緊急の業務対応能力が強く評価された結果、2025年9月16日から正式な社員として迎え入れられることになりました。
現在、Rさんは成形課に所属し、主に半導体基板製造に欠かせない治具や副資材の開発・試作・量産に取り組んでいます。昭和精工での勤務を通じて、彼は徐々に信頼を獲得し、多くの責任ある仕事を任されています。
昭和精工株式会社の意見
昭和精工株式会社の担当者は、Rさんの採用について「彼の真面目さや職務に対する熱心さは素晴らしい」という評価をし、「今後も国籍にとらわれず、仲間として共に働いていきたい」と語っています。
「我々のような中小企業においても、難民人材を迎えることで新しい視点や価値をもたらすことができる」との意見もあり、Rさんはその変革の先駆けとして期待されています。彼の努力は、他の難民出身者にも希望をもたらすことが期待されます。
WELgeeの役割
WELgeeは、難民の方々が自らの人生の目標を追求できる環境作りを目指し、企業と連携した取り組みを行っています。出身国での迫害を逃れた方々が日本で専門性を活かし、自立した生活を送ることを支援しています。今回の採用は、まさにその活動の成果の一つと言えるでしょう。
Rさんは、日本での新しい生活を成功させるために、決して自身の専門知識を諦めることなく、新たな挑戦を続けています。その姿は、多くの人々にとって希望の象徴でもあります。これからの論争や不安定な環境の中で、彼の成功が多くの人々に勇気を与えることを期待したいと思います。