岡山大学のシンポジウムで発酵技術の未来を考える
2025年10月31日、岡山大学の微生物インダストリー講座が主催する第4回シンポジウムが岡山市北区の医師会館三木記念ホールで開催されました。テーマは「日本の発酵技術を世界へ~麴菌と固体培養の本質に触れ、発酵が拓くみらいを考える~」。このシンポジウムには、対面およびオンラインを通じておよそ500人が参加しました。
シンポジウムの開会
開会式では、岡山大学の那須保友学長が挨拶し、続いて株式会社フジワラテクノアートの藤原加奈副社長が登壇しました。ここから、今回のシンポジウムの背景と目的が語られました。特に、麴菌の利用とそれに伴う固体培養技術の発展が、発酵食品ならびに新たなものづくりへの影響を持つことが強調されました。
基調講演と講演者たち
講演は、まずSAN-J International, Inc.の佐藤隆氏から「海外における麴発酵の用途拡大」というタイトルでスタートしました。その後、東京大学大学院の丸山潤一教授による基調講演が続き、麴菌のゲノムから見た多様な機能に関する研究が紹介されました。このような基調講演では、新しい視点から麴菌の可能性が探求され、参加者の関心が集まりました。
更に、岡山大学の原唯史助教が講演を行い、微生物インダストリー講座の取り組みや成果が詳述されました。このように、各講演者がそれぞれの専門領域から発表をする形式で、参加者は最新の研究や技術に接することができる機会となりました。
総合討論
講演に続き、佐藤氏や丸山教授を含むパネリストが参加する総合討論が実施されました。ここでは、日本の発酵技術が如何に国際的に影響を持つかについて熱心に議論され、確実に注目を集める麴菌の有用性の発展に期待が寄せられました。特に、近年の発酵技術の進化が新たな製品開発へどのように反映されるのか、そして産官学との連携による未来像が描かれました。
視聴可能なシンポジウム動画
シンポジウムの終了後、岡山大学の微生物インダストリー講座では、シンポジウムの動画をYouTubeチャンネルで公開しました。過去のシンポジウムもすでに視聴可能であり、参加者は感想や意見を寄せられるようになっています。こうした取り組みは、今後の活動に活かされることが期待されています。
岡山大学の今後の活動
岡山大学は、地域の中核を担う研究機関として、持続可能な開発目標(SDGs)にも積極的に取り組んでいます。発酵技術が与える影響の特性を理解・活用し、生物資源のアップサイクルによる新たなものづくりの可能性を広げていくことが今後の課題です。岡山大学の活動に引き続きご期待ください。