再生可能エネルギーへの意識は高まるも導入は限定的、その背景とは
近年、地球温暖化やエネルギー問題が深刻化する中、再生可能エネルギーへの関心が高まっています。しかし、その実際の導入はどうなっているのでしょうか?本稿では、WeCapital株式会社による調査結果をもとに、再生可能エネルギーやSDGsに対する消費者の意識と行動を掘り下げていきます。
調査の背景と目的
WeCapital株式会社は、20代から60代の男女1,005人を対象に「再生可能エネルギーやSDGsの関心度」に関するアンケートを実施しました。この調査は、私たちの日常生活におけるエネルギー問題や地球環境に対する意識の変化を捉えることを目的としています。
地球温暖化は「自分ごと」?
調査結果によると、約60%の人々が地球温暖化やエネルギー問題を「自分ごと」として捉えていることが明らかになりました。具体的には、「とても感じている」と答えた人が17.4%、 「やや感じている」という回答が47.3%です。これに対し、意識が低いと感じる人も一定数存在することがわかりました。
特に、「ごみの分別・リサイクル」という日常的に行いやすい行動に取り組んでいる人が66.1%と多く、エネルギーの節約や環境に配慮した製品の購入といった行動は、それに続く形で回答されました。ところが、再生可能エネルギーの利用や設備導入に関しては、取り組みが比較的少ないことが示されています。
再エネ・省エネ設備の導入状況
続いて、再生可能エネルギーに対するイメージを確認したところ、「地球・環境に優しい」と「クリーンなエネルギー」が多く挙げられましたが意外にも、「導入費用が高そう」という否定的な印象も強く持たれている現実が見えてきました。
実際に、再生エネ・省エネ関連設備を導入している家庭は、全体の約20%にとどまっています。具体的には、太陽光発電システムが52.3%、省エネ給湯器が48.9%、蓄電池が23.3%という現状です。このように、導入済みの設備は生活において経済的なメリットをもたらすものに集中しています。
導入していない家庭の意見としては、コストや設置スペース、複雑な制度に対する不安が強く見受けられます。今後導入したい設備に対する希望も、導入済みの設備が順位を占めていることから、ある程度の認知や信頼性が形成されていることが分かります。
導入促進のためのポイント
調査において最も多く挙げられた太陽光発電システムや蓄電池導入において、重視されたのは「政府・自治体の補助金や減税制度」で、全体の74.4%が挙げています。また、71.8%が導入コストの低下を求めており、「安心感」や「性能向上」も重要視される要素です。この結果から、導入に際しては経済的なメリットと安心感の両方が不可欠であることが浮き彫りになりました。
再生可能エネルギーへの投資意識の高まり
家庭内の取り組みだけでなく、再生可能エネルギー関連プロジェクトへの投資・支援を考える人々が少なくありません。「再生可能エネルギー分野のプロジェクトに投資・支援したい」と答えたのは全体の約半数で、その思いには社会貢献を意識した側面が強く表れています。
投資と支援を考える際に重視されるのは「利回りや経済的リターン」、そして「社会への貢献」「プロジェクトの信頼性」という意見も多く、環境に良いことをしたい、または意味のある投資をしたいという願いが調査結果に反映されています。
まとめ
この調査から、再生可能エネルギーやSDGsに対する意識は高まっているものの、実際の行動には障壁が存在することが分かりました。特に、家庭内での導入は金銭的な負担が大きな影響を与えていることが伺えます。しかし、再生可能エネルギーへの期待の高まりや、これに伴う投資意識の発展が著しいことから、今後の取り組みの進展が期待されるところです。調査結果の詳細については、ヤマワケJOURNALをぜひご覧ください。