タイヤからエコカーボン
2025-01-31 03:23:25

タイヤから生まれるエコカーボンブラックの新展開についての取り組み

タイヤから生まれるエコカーボンブラックの新展開



東海カーボン株式会社、ブリヂストン、九州大学、岡山大学の4者が手を組み、使用済みタイヤ等から新しいタイプのカーボンブラックを生成する技術開発プロジェクトを開始しました。このプロジェクトの目指すところは、再生カーボンブラックを二次処理し、新品に匹敵するゴム補強性を持つエコなカーボンブラック、「eco Carbon Black」(eCBTM)を生み出すことです。

プロジェクトの背景と意義



近年、環境問題が深刻化する中で、使用済みタイヤの廃棄処理は大きな課題となっています。タイヤの多くは熱回収(サーマルリカバリー)を通じて燃料として利用されていますが、その際にはCO2が排出されるため、持続可能な資源の利用を求められています。これは、自動車や交通需要の増加に伴い、今後もタイヤの需要が伸びることが予想される中で、ますます重要となってきています。

そこで、使用済みタイヤや他の高分子製品から取り出された再生カーボンブラック(rCB)を二次処理することで、いかに環境に優しい形でリサイクルできるかということが本プロジェクトの核心です。この取り組みは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が採択した「使用済みタイヤを含む高分子製品からのカーボン再利用技術の開発」に基づいています。

プロジェクトの具体的な内容



本プロジェクトでは、各組織がそれぞれの専門知識や技術を融合させていきます。東海カーボンはrCBをeCBに変えるための技術開発を担当し、ブリヂストンはeCBのゴム物性評価を行い、九州大学はeCBの評価及びゴム補強メカニズムの解明、岡山大学は特殊ポリマー及び特殊カーボン複合体の開発を行います。これにより、rCB内の不純物を除去し、高いゴム補強性を持つeCBを生み出すことを目指します。最終的に2032年度までに5,000t/年のeCBを生産する実証プラントを稼働させる計画です。

環境への貢献



本プロジェクトの成果が実現すれば、使用済みタイヤの原材料であるvCBを効率的にリサイクルし、環境負荷の低減に貢献できる可能性があります。また、新たに開発される特殊ポリマーや特殊カーボン複合体により、さらに多様な用途での利用が開かれるでしょう。これは限りある資源の有効活用につながり、カーボンブラックの生産と同時に、使用済みタイヤの処理に伴うCO2排出量を削減する役割も果たします。

結び



今後このプロジェクトがどのように進展し、具体的な成果を上げるのか、多くの人々が期待しています。循環型経済とカーボンニュートラル実現に向けた、持続可能な開発目標に沿った革新的な挑戦が始まります。地球環境の保護と持続可能な未来に向けた取り組みに、注目していきたいと思います。


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