神奈川の大企業とベンチャー企業の実証事業
神奈川県では、大企業とベンチャー企業との連携を促進し、オープンイノベーションを進める「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)」の取り組みが進行中です。このたび、令和6年度の支援プロジェクトに採択された二つの実証事業が、具体的な成果を上げたことをお知らせします。
1つ目のプロジェクト:空調効率向上プロジェクト
連携企業
- - 株式会社メンテル(ベンチャー企業)
- - 富士工業株式会社
プロジェクト概要
株式会社メンテルは、IoTやAI技術を活用し、建物のエネルギー利用の最適化に取り組んでいます。この度、富士工業株式会社と連携し、既存の空調設備を大規模に改修することなく、空気環境を改善するシステムを開発しました。AIによる気流解析により、エアコンや後付けのサーキュレーターを制御し、温度ムラや光熱費の削減を実現します。
実証実験は富士工業のラボにて行われ、実施期間は令和6年11月から令和7年2月まででした。
実証結果
このプロジェクトでは、従来に比べて約10%の省エネ効果と50%の室内温度ムラ削減が達成され、CO2排出量が約10%削減されることが確認されました。また、空調設備の入れ替えと比べ、約20分の1のコストでこれらの効果を得ることができました。
今後の展開
夏には、ラッシュジャパン合同会社が運営する実店舗において、このシステムの有効性を検証する予定です。この検証結果をもとに、商業施設や宿泊施設、学校などへの導入を目指します。
2つ目のプロジェクト:リユース容器導入プロジェクト
連携企業
- - 株式会社カマン(ベンチャー企業)
- - 株式会社湘南ベルマーレ
プロジェクト概要
株式会社カマンはリユース容器のシェアリングサービス「Megloo」を展開し、地域店舗間でのリユース容器の利用拡大を目指しています。湘南ベルマーレと共同で、令和6年のJリーグ試合でリユース容器を使用した実証実験を実施しました。
スタジアム内外の35店舗でリユース容器を用いたメニューを販売し、容器回収時には投票型回収ボックスを活用したところ、利用者の9割以上から賛成意見が集まり、容器の返却率は90%以上に達しました。
実証結果
この実証事業で、リユース容器によって5,698食が提供され、106kgの廃棄物が削減され、495kgのCO2排出量が減少しました。次回以降の改良点として、容器の種類ごとに回収ボックスを分けて設置する方針です。
今後の展開
今後もJリーグの試合を通じてリユース容器の普及を続け、次回の実施は令和7年5月17日に予定しております。目標提供食数は6,000食、廃棄物削減は120kg、CO2削減目標は600kg、容器の返却率は95%を目指します。
取材のお問い合わせ
これらの実証事業に関する取材は、それぞれの連携企業にお問い合わせください。株式会社メンテルは井上まで、株式会社湘南ベルマーレは広報の古林までご連絡いただけます。神奈川のこれらの取り組みが、持続可能な社会に向けた一歩となることを期待しています。