BYDがIAAモビリティ2025で新たな可能性を示す
中国の自動車メーカー、BYD(比亜迪)が、2025年9月8日にドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2025」の場で、注目の新車両計3モデルを発表しました。このイベントは、世界最大級の新エネルギー車の見本市として名高く、BYDの特徴的なモデルが初めて欧州のステージで披露される重要な瞬間となりました。
新型ハイブリッド「BYD SEAL 6 DM-i TOURING」の公開
まず紹介されたのは、新型ハイブリッドモデル「BYD SEAL 6 DM-i TOURING」です。これは、BYDが初めて手がけるステーションワゴンタイプの仕様で、驚異の1300kmに及ぶ航続距離を実現しています。このモデルは、「DMテクノロジー」を採用しており、効率性とパフォーマンスを兼ね備えた一台となっています。
さらに、BYDはこのモデルに関して「油電同速」とは何かを定義する新しい充電技術、「フラッシュチャージ」の導入も計画しています。これは、電動車両の充電速度をガソリン車の給油速度と同等にするもので、1秒あたり2kmの航続距離を確保するというものです。2026年の第2四半期までに200〜300基のメガワット級フラッシュ充電ステーションが設置される予定で、先駆けて1000kWフラッシュチャージのデモも行われました。
コンパクトEV「DOLPHIN SURF」の5つ星評価獲得
続いて、コンパクトEV「DOLPHIN SURF」がEuro NCAPで最高評価となる5つ星を獲得したことが発表されました。BYDのエグゼクティブ・バイスプレジデント、ステラ・リー氏は、「これほどの評価を受けることができたのは、私たちの技術の成果です」と誇らしげに語っています。このモデルは、2025年末に稼働予定のハンガリー・セゲド工場での最初の生産車両にも決定したことから、BYDが欧州市場でのプレゼンスを強化するための重要な一手であることを印象付ける出来事です。
新認定中古車制度「BYD Certified Pre-owned」の導入
さらには、BYDは新しい認定中古車制度「BYD Certified Pre-owned」を発表しました。この制度では、179項目の厳しい検査、90%以上のバッテリー状態に加え、包括的な保証やロードサイドアシスタンスを提供することで、中古車でも安心して利用できる環境を整えることに力を注いでいます。これは、特に新車での信頼を重視する欧州市場での競争力強化に繋がる施策となるでしょう。
欧州市場での成長と展望
今回の発表で、BYDは欧州でのモデルラインナップを6から13に拡大したことからも明らかに、今後の成長を見込んでいます。展示会場では、DENZAブランドの新モデルも披露され、BYDの技術が示す新たな未来像が浮き彫りにされた形です。これからのBYDの活動にますます目が離せなくなります。
BYDについて
BYDは1994年にバッテリーメーカーとしてスタートし、現在は自動車、エネルギー、エレクトロニクスなど多岐にわたる事業を展開しています。ゼロエミッションエネルギーの提供を通じて、世界各地で環境問題と向き合う姿勢が評価されています。これからもBYDの新たな挑戦に期待が寄せられています。