『未完成マンガ』登場
2025-02-04 12:02:25

心の中の言葉を形にする『未完成マンガ』ががん教育を変える

心の中の言葉を形にする『未完成マンガ』ががん教育を変える



2月4日、ワールドキャンサーデーに合わせて、一般社団法人日本がん・生殖医療学会が新しい教育用教材『未完成マンガ』を公開しました。この教材は中学生向けに設計されており、がんについての理解を深めることだけでなく、自己表現を通じて心構えを育てることを目的としています。教材は誰でもダウンロード可能で、特に教育関係者にとって非常に役立つ内容となっています。また、愛知県の中学校で行われたモデル授業の様子を紹介するWEBムービーも公開されています。

がん教育が義務化されている中、授業を担当する教員は専門的な知識が不足していることを不安に感じることがあります。この背景を受けて、日本がん・生殖医療学会は教員が使いやすく、また生徒たちが興味を持って学ぶことができる教材を必要とされていることを理解しました。

『未完成マンガ』の内容とは?



『未完成マンガ』は、生徒が「がんに罹患している人物」となり、その心理を深く考え、相手にかけたい言葉をセリフとして表現するというオリジナルの形式になっています。シチュエーションやストーリーが異なる4つのシートが用意されており、生徒が自分に合ったものを選びやすくなっています。このようにして生徒は、がんになることを自分のこととして捉えることができるようになります。

罹患者になりきる学びの意義



この教材の根底には、がん患者についての理解を深めることが重要であるという考え方があります。実際に、がん患者の感情は一様でないことが多いため、それぞれの状況に応じた声かけが必要です。教育を通じて、学生がこのことを理解し、実践に活かせるようになることが期待されています。実際にヒアリングを行った医療従事者たちの意見からも、こうした学びの重要性が窺えます。

モデル授業の実施と反響



愛知県の立田中学校では、『未完成マンガ』のモデル授業が行われ、生徒たちは真剣に授業に取り組みました。がんについての基本的な知識を学んだ後、生徒たちは自身のセリフを考え、役としてクラスメイトの前でそのセリフを発表するという体験をしました。授業後の反響としては、がんになった人にどんな言葉をかけるべきかを考える機会になったというポジティブな声が多数寄せられました。

学生たちにとって、心の中の言葉を形にする経験は貴重であり、また、それを家庭で共有することによって、親たちもがんについて考える良い機会となったようです。これにより、学校だけでなく家庭でもがんに対する意識を高める動きができています。

各地での普及を目指して



『未完成マンガ』は今後、日本全国の教育機関で使用されることを目指しています。がんに対する理解を深化させると同時に、がん患者への理解と共感を育むことが大切です。学生たちが考えたマンガ作品は、今後WEBサイトを通じて公開することも予定されており、より多くの人にこの教材の価値を伝えていく方針です。

ワールドキャンサーデーの重要性



ワールドキャンサーデーは、世界中でがんに対する意識を高めることを目的とした日です。この日は、がん教育の重要性を再確認し、多くの人々ががんについての知識を深める契機となります。日本がん・生殖医療学会は、引き続きがん教育推進のための活動を行っていく予定であり、特に若い世代に向けた取り組みを進めていきます。

この『未完成マンガ』を通じて、がんについて考えるだけでなく、他者への思いやりの気持ちも育んでいくことができるよう、大いに期待しています。


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