音楽の闇に秘められた共生の力
2024年2月7日、横浜みなとみらいホールにて開催される特別なコンサート『ミュージック・イン・ザ・ダーク』。このイベントは、視覚障がいのある演奏家と視覚障がいのない演奏家たちが合同でアンサンブルを組んだ、差別なく共に生きる社会を目指す素晴らしい試みです。
本公演の見どころは、何と言っても暗闇の中で音楽を体験できることです。照明を完全に消した空間にて、目に見えない世界を感じ取ることを来場者に求めるこのコンセプトは、多くの人々に新たな感覚の扉を開く機会を提供するでしょう。
感覚を研ぎ澄ます音楽体験
本イベントは、2015年から東京藝術大学の社会包摂プログラム「障がいとアーツ」の一環として始められ、これまで横浜みなとみらいホールでは5回開催されてきました。さまざまな音楽ジャンルのアンサンブルが披露され、人々に視覚障がいとその理解について深く考えさせるきっかけを与えています。特にこれまでの公演では、弦楽アンサンブルや邦楽アンサンブルが取り上げられ、音楽を通じた多様性の重視が強調されてきました。
実力派アーティストたちの参加
今回の公演では、尺八奏者・藤原道山が中心となり、箏の澤村祐司やソプラノの小汐唯菜、パーカッションの神田佳子といった実力派アーティストたちが集結。特に藤原の尺八アンサンブル「風雅竹韻」は、前回2021年に横浜能楽堂での公演以来、5年ぶりとなる貴重な機会です。
演奏される曲目は、《アメイジンググレイス》や《春の海》、神田佳子作曲の《尺八はミラクル》、更には新たに編曲された《山田耕筰メドレー》等、バラエティに富んだ作品が紹介され、参加者たちを深い音楽の世界へと誘うことでしょう。
視覚障がい者へのサポート体制
昨年から始められたこのコンセプトは、視覚障がいのある方々に対する鑑賞サポートも充実しています。開演前には、東京藝術大学の学生による鑑賞ガイドが行われ、参加者は実際に楽器を触れる体験やさまざまなサポートを受けることができます。プログラムは点字や大文字、音声コードといった形式で準備されており、視覚の有無に関わらず、全ての人々が同じ体験を分かち合えるよう工夫されています。
公演詳細
この感動的な音楽体験を逃さないよう、ぜひ事前にチケットをお求めください。
公演情報
- - 名称: ミュージック・イン・ザ・ダーク® ~闇に響く音~
- - 会場: 横浜みなとみらいホール 小ホール
- - 日時: 2026年2月7日(土)15:00開演 (14:15開場)
- - 出演者: 藤原道山(尺八)、澤村祐司(箏)、神田佳子(パーカッション)、風雅竹韻(尺八アンサンブル)など
- - 料金: 全席指定 一般:4,000円、学生・65歳以上・障がい者手帳保持者:3,500円など
- - 予約: 横浜みなとみらいホールチケットセンター (045-682-2000)
音楽を手がかりに、共に生きることを考えるこのイベントに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。