第一カッター興業が注目のレーザー塗膜除去技術を導入
神奈川県茅ケ崎市に本社を構える第一カッター興業株式会社は、2023年に株式会社トヨコー製の高出力レーザー塗膜除去装置「CoolLaser G19-6000」の導入を発表しました。この装置は、主に橋梁や港湾、エネルギー関連のインフラ構造物において、その卓越した環境性能と操作性によって新たな下地処理技術としての運用が開始されます。
インフラ補修における課題
近年、インフラ補修の現場ではいくつかの課題が顕在化しています。やはり粉じんの飛散による作業環境の悪化が大きな問題として挙げられます。また、長時間の作業が与える作業者への身体的な負担も無視できません。そして、再塗装後に不具合を生じさせる塩分や汚染物の残留問題なども、より効果的な解決策が求められています。こうした課題に対する打開策として、レーザーによる除去技術が注目されています。
CoolLaser G19-6000の特徴
CoolLaser G19-6000は、5.4kWの連続波レーザーを用いて、塗膜や錆を効果的に除去する非接触型の施工機器です。この装置の特長は、以下の点に集約されます。
- - クリーン施工: 本装置を使うことで除去作業の副生成物が極めて少なく、粉じんや廃棄物の発生を大幅に抑えることができます。これにより施工現場の環境が改善され、作業者の負担も軽減されます。
- - 低負荷作業: レーザー照射による反力がほとんど無いため、体への負担が少なく、長時間の施工に適した設計となっています。
- - 塩分・汚染物の除去: 表面に残った塩分や油分も効率的に除去することができ、再塗装に際しての密着性や耐久性を向上させることが可能です。
- - 可搬性・現場適応力: CoolLaser G19-6000は4tウイング車に搭載可能で、現場への移動や搬送が簡単です。さらに、屋外での温湿度の変化や振動にも耐えうる構造設計がされています。最大100mの距離までのレーザー伝送が可能なので、さまざまな現場レイアウトに対応可能です。また、手持ち可能なハンディサイズの照射ヘッドにより、狭い場所での局所処理にも柔軟に対応できます。
将来の展望
第一カッター興業では、CoolLaser G19-6000の導入を機に、施工現場での試験施工やデモンストレーションを行い、実用的なレーザー施工技術の確立を目指しています。地域のニーズに応じて柔軟かつ効果的な技術提案を行い、環境負荷の低減や安全性の向上、さらには品質の確保をバランス良く実現していく考えです。社会のインフラを支える重要な役割を果たす企業として、第一カッター興業は前進を続けていきます。