開館30周年記念特別展「横浜の文化財 - Yokohama Heritage」
横浜市歴史博物館では、令和7年4月26日から開館30周年を祝して特別展が開催されます。この展覧会は、文化財の修復技術、それを支える人々、そして文化財を伝えるための環境について地域の資料を基にした展示となっています。展覧会は2つのパートに分かれており、今回はその第一部「修復」について詳しくご紹介します。
文化財の修復とその重要性
文化財は未来に残すために、修復が欠かせない存在です。特別展では近年修理を経た文化財や修復技術を駆使して修復されたものが初めて公開されます。さらに、修復された文化財の数々と共に、その背後にある歴史や地域の文化が伝えられています。
初公開の文化財
特に注目なのは、横浜市指定文化財である「地蔵菩薩坐像薬王寺」の修復が終わり、初めてお披露目される点です。着目すべきは、木彫や染色、油彩画といった多様なジャンルの文化財が一堂に会することです。また、修復が行われた「笠木治郎吉 明治期庶民風俗図」も初めてその姿を見せます。
来歴を持つ文化財たち
文化財を守る工夫はそれだけではありません。どのような過程で今に至ったのか、文化財それぞれのストーリーにスポットを当てていきます。例えば、都市開発の影響で移転を余儀なくされた石造物や、地域の絆によって復活を遂げた民俗行事に関する仏像が紹介されます。
「はらでぐちくん」との再会
また、文化財修復の中でも特にユニークな展示として、東京国立博物館から戻った「筒形土偶」を見ることができます。この土偶は縄文時代に作られた貴重なもので、横浜市内出土の「はらでぐちくん」とも呼ばれています。この機会に、古代文化に触れてみてはいかがでしょうか。
関連イベントの紹介
開館30周年を祝う特別展には、さまざまな関連イベントが用意されています。特に目を引くのは、専門家を招いた講演会やワークショップです。事前申し込みが必要ですが、各講演会では文化財の保存修理に関する知識や技術を学ぶチャンスがあります。
- - 講演会では、紙に書かれた作品の修理に関する講演や、甲冑の修復技術が語られます。
- - ワークショップでは、江戸手描きの鯉のぼりや古代アンデスの楽器に触れることができ、自分自身で作品を作る経験ができます。
開催日程
- - 会期: 令和7年4月26日〜6月2日
- - 場所: 横浜市歴史博物館 企画展示室
- - 開館時間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
- - 定休日: 月曜日(ただし祝日は開館)
観覧料は一般1,000円、高校・大学生700円、小・中学生および横浜市内在住65歳以上500円と、比較的リーズナブルです。特別展のみの入場券と常設展の共通券が用意されており、前売り券ならさらにお得に入館できます。
同博物館は、横浜市都筑区中川中央に位置し、公共交通機関でもアクセスしやすい場所にあります。ぜひ、この機会に横浜の文化財の魅力を味わいに足を運んでみてください。