川崎市平和館で戦災写真をカラー化した特別展開催へ

川崎市平和館での特別展の概要

川崎市が市制100周年を迎えるにあたり、川崎市平和館では特別展「戦後80年川崎大空襲記録展～戦時下の市民生活と川崎大空襲～」が開催されます。この展覧会では、川崎大空襲の戦災写真9枚がカラー化されて展示されます。染色技術には人工知能（AI）を活用し、白黒写真に命が吹き込まれました。

カラー化のプロセス

カラー化のプロセスにおいては、まず川崎市平和館所蔵の白黒写真をAI画像認識を用いて自動的に色付けしました。その後、空襲の体験者から当時の記憶やエピソードを聞き取ることで、色彩を補正し、より実際の色に近づける作業が行われました。これにより、単なる写真が単なる記録ではなく、過去の生々しい記憶を蘇らせる力を持つ作品へと変貌を遂げました。

展示される作品たち

展示されるカラー化された写真には、以下のようなものがあります。

- ひそかに撮られた戦災: 市役所3階からの撮影。
- 市役所付近の焼け跡: 防空偽装のため迷彩塗装された市役所が写る。
- 焼け跡に建つバラック小屋: 焼け残りの資材を用いて作られた家。
- 焦土と化した市街地: 六郷橋付近の惨状。
- 進駐軍向け案内標識: 新川橋交差点の一角を撮影したもの。

これらの作品は、当時の状況を鮮やかに浮かび上がらせると同時に、観る者に深い思索を促すことでしょう。

川崎大空襲について

1945年4月15日、B-29爆撃機194機による攻撃が川崎市を襲いました。焼夷弾や高性能爆弾が投下され、その結果、中心部は壊滅的な被害を受けました。膨大な数の家屋が焼失し、犠牲者は約1,000名に上るとされています。川崎大空襲は市民に多大な苦痛をもたらし、その記憶を後世に伝えていくことが重要となっています。