結婚相手の年収が幸福度に与える影響を調査
近年、結婚に関する価値観は大きく変わりつつあります。特に、結婚生活における経済的な要素が幸福度にどのように関連しているのか気になるところです。そこで、一般財団法人全日本情報学習振興協会が実施した「既婚者と未婚者の結婚観」に関する調査の結果を基に、この問題を掘り下げてみましょう。
調査の概要
2024年10月30日から11月1日までの期間に、既婚男女1,036人と未婚男女1,011人を対象にインターネットで行われました。調査のポイントは、結婚相手に求める理想の年収や年齢差が、実際の結婚生活の幸福度にいかに影響を与えているのかを探ることです。
結婚相手に求める年収
調査結果によると、57.3%の未婚女性が結婚相手に年収500万円以上を希望しています。一方、既婚女性の回答では、実際に夫の年収が500万円以上だったのは50.5%にとどまります。このことから、多くの女性が理想の年収よりも低い年収の男性と結婚している現実が明らかになりました。
さらに、未婚女性の42.7%は「200万円以上〜500万円未満」を希望しましたが、実際には49.5%がこの範囲に入る夫と結婚したという結果も出ています。このように、理想と現実のギャップが見受けられます。
結婚後の幸せを感じているか?
興味深いのは、既婚者に対する「結婚後、幸せに過ごせていますか?」という質問です。結果として、82.3%の既婚者が「幸せ一杯、すごくハッピー」または「幸せ、普通にハッピー」と回答しました。これを見ると、たとえ年収が理想に届かなくても、結婚生活に満足感を持っている方が多いということがわかります。
年収と幸福度の関係
では、年収が幸福度にどのように影響しているのでしょうか。年収500万円以上の男性と結婚した既婚女性の幸福度は81.8%ですが、500万円未満であっても80.9%と、あまり差がないことが確認されました。これにより、高収入の男性との結婚が必ずしも幸福度を高める要因ではないことが浮き彫りになりました。
年齢差が幸福度に及ぼす影響
次に、結婚相手の年齢差が幸福度に及ぼす影響についても調査しました。夫が年下である女性の83.1%が「幸せいっぱい」または「普通にハッピー」と回答しており、夫が年上である場合の77.9%を上回りました。
このことから、結婚相手の年齢差も幸福度に影響を与える要因の一つであると考えられます。一般的に「男性は年下の女性を好む」と言われていますが、実際には女性が年下の男性と結婚することでより多くの幸福を感じていることが示されました。
年収が幸福の絶対条件でない理由
今回の調査では、理想の年収と実際の年収とのギャップや、相手との年齢差が幸福度に与える影響が浮き彫りになりました。年収が低い男性の未婚率が高い一方で、未婚女性の多くは高収入を求める傾向がありますが、実際には収入だけでなく、人間性や価値観の一致も重要な要素であることがわかります。
幸福度において、年収が高いからといって必ずしも結婚生活が満足いくものになるわけではなく、むしろ、家庭の役割分担や子育てに参加する姿勢がより幸福感の向上に寄与している可能性があります。
まとめ
結婚相手に対する理想と現実のギャップは存在しますが、それにどう向き合うかが結婚生活の幸福に大きく影響していると考えられます。年収や年齢差だけでなく、お互いの理解や支え合いが重要であり、幸せな結婚生活の鍵となるのです。
結婚に対する考え方が多様化する現代、理想の結婚や幸せなパートナーシップについて前向きに考え、築いていくことが新たな幸福を見つける第一歩となるでしょう。